日々是迷々之記
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目が覚めるとどーんと疲れに覆われている。昨日の夜中にダンナさんが帰ってきて、それから酒盛りをしたので当然の結果だ。
ダンナさんは会社の忘年会が終わってからだったので、滋賀から電車に乗って目が覚めたら神戸、そこから大阪に引き返し、終電はなくなり、タクシーは鬼の渋滞だったので、30分ほど歩いてそれから町はずれでタクシーをつかまえてやっとのことで帰ってきたそうだ。お疲れさまというべきか…。
ということでしんどいので二度寝を決行して起きたらお昼過ぎであった。軽くゴハンを食べて出かけた。社会復帰の下準備として、カカトのある女性用ブーツに膝くらいの丈のスカートを履いた。天気がいいのでさほど寒くないだろうと言う判断だ。
そしてクルマのディーラーに行った。ここの営業のBさんはほんっとにマメで一週間に一回くらい立ち寄ってくれる。ついに先週はスタッドレスタイヤとホイールを半額にしてくれるとの申し出があった。それを聞いたダンナさんはうむうむと鼻息荒く交渉に入るつもりなのだ。
わたしは嫌な予感がしていた。Bさんは昭和51年生まれの若いおにいさんでクルマの知識もそんなマニアックな所までは持っていないようだ。一方ダンナさんは昭和39年生まれ、整備士の免許をもっており、しかも図々しい外国人並の交渉力があるので、きっとダンナさんの圧勝になるだろう。
3時間のお話の中で勝負はついてしまった。結果、ダンナさんの圧勝と言えるだろう。ディーラーオプションは全部で0円、他府県登録、持ち込み車検も別途費用なし、勿論スタッドレスタイヤは半額だ。第二希望の車種で馬力も260馬力だが、総値引額45万円なのでこれでヨシとした。
そこまで引っぱり出して契約するのかと思いきや、「今年いっぱいに返事します。」で後にした。実は他にも考えている車種があるのでそっちを検討するようだ。うむむ。交渉事が苦手で、最後は適当になってしまう私とはえらい違いだ。
そこからはお決まりのデパ地下おかずを買いに出かけた。途中で大型家電量販店に立ち寄り、パナソニックの「Game Player Q」を見に行った。これは、任天堂のゲームキューブがプレイでき、しかもDVDも見ることが出来、CDも聞けるというスグレものだ。筐体もApple G4 Cubeを思わせる形でメタリックな鏡面仕上げがなかなかそそる。しかし、限定販売だったようでその店では売り切れており、実物を見ることはできなかった。
疲れたのでお茶を飲むことにした。しかし、腰掛けてみるとどーんと足が痛くなってきた。膝ではなく、良い方の足の母子球(指の付け根あたり)である。よく考えてみるとここ2年くらいカカトのある靴を履いたことがなかったのだ。うぐぐ。ブーツをずずずと剥がしてみると、なんと小指が薬指の側面に突き刺さって血まみれではないか。これは女性靴に特有の先細り形状によって引き起こされたと思われる。わたしの足は「扇形」なのだ。
血まみれの指を見たら一気に痛いように感じてきた。うがが〜。でも、デパ地下で買い物をしないと今日の夕食はない。最後の力を振り絞って買い物をし、顔面蒼白になりながらも電車で家に帰った。
きっとこういうブーツで「うふふふ!」とか言って出歩くには、ドアの所まで誰かにクルマで送り迎えしてもらうような身分にならなくてはならないのだ。
「けっ!」と私は玄関にへたりこみ、ブーツを下駄箱に突っ込んだ。私は運動靴かワークブーツのヒトでいいのだ。
それにしても指の感覚がないのはなんだかなぁ…。
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