子犬日記
むかしのこと|ちょっと前|ちょっと先
夏休みの宿題の難物、自由研究。 実験につきあうほどのひまもなく、レポートを書くほどやる気もなかったので、こうなった。
資料は図書館から借りてきた『絶滅哺乳類図鑑』(丸善)。 本屋で見かけるたびに「すごく欲しいけど値段が!」と内心絶叫していた本を、図書館で見つけたのは子犬だった。ふたりで大喜びで借りてきたのは読むためで、自由研究用ではちっともなかったのだが…。 製作所要時間2時間。紙粘土の芯になるプラスチック器に紐を巻きつけながら、子犬に「海洋堂のフィギュアの原型師さんたちもこうやって最初は粘土でつくるんだよ」と話してやると、はりきっていた。
このドエディクルスは、一万年前に南アメリカで栄えたアルマジロの巨大ないとこで、全長4メートルにもなった。学名は「すりこぎの尾」という意味。尾の先の棘部分がすべて剥がれた状態の化石が見つかったときにつけられたらしい。背中にこういう「甲羅」を負った仲間ではグリプトドンが有名だが、ドエディ君は棘がついた重い尾のおかげでさらに無敵だったにちがいない。 背中の甲羅には駄菓子のプラスチック器の蓋についていた模様を型押し。あまり寸法が長くても台になる箱が足りないので尾は短めにした。首も落下をふせぐために補強したら伸びてしまった。ちょっとだけうそつき。
さて、あとは読書感想文だ…(倒)
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