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アキラ
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2007年04月21日(土)
妄想族の戯言10。

やったら時間軸行ったり来たりしているこの駄文。
ようやく2回目に書いたエピソード3/27とリンクしましたです!
というかね、私が1番書きたかったエピソードが実はここなんですよね!
何度も同じ様な夢を見たり、妄想を繰り広げたりしてるのよ〜(病気)

さ、そんなわけでアディオスアミーゴ!

この駄文が載ってる記事(今日より前)の日付は以下のとおり。
日付クリックで飛べます。※携帯版ではリンクされてません悪しからず。
3/2627284/14/94/104/154/164/20

無題:10-------------------------


ケイを守らなければ。
崩れてくる瓦礫から、絶え間なく飛んでくる弾丸から。
そして、彼の命を奪う日の光から。
でもどうすればいい?
背中合せににケイを庇って、一人で応戦するのにも限界がある。
少しずつまた天井が崩れている。
ジリジリと後ずさりながら、なんとかして日光を避けていられるのも、もう時間の問題だ。

「ショウこれ以上下がれない。」
後ろを振り返ると、ケイの向かいには落書きだらけの壁があった。
チラリと傷を確認すると、すでに傷口は無かった。
ただ、顔色は悪い。
というよりも、今は伏せられている瞳以外に、色が無い。唇も真っ白だ。
なのに、額には玉のような汗がいくつも浮かんでいる。
今、敵を振り切って逃げる力は、ケイにはない。
こんな状態で更に傷を負って血を失ってしまえば、命にかかわるかもしれない。
そして…日の光に貫かれれば…。
ショウは更に視線をめぐらせて天井を睨む。
パラパラと、既に真上の天井も崩れ始めているようだった。

「ってぇ!!」
気を抜いていると、天井だけにとどまらず、ショウに向けても発砲してくる。
上の天井が崩れてしまえば、今度は自分がターゲットなのだと気がついた。

どうすればいい?

どう行動すべきかは思いつかなかった。
ただ、これ以上ケイに負担をかけることだけは、なんとしても避けたい。
そうなれば、方法は一つしかない気がした。
逃げることは出来ない。なら、迎え撃つだけだ。
でも、じっとやられるのを待つのだけは我慢が出来ない。

あいつらはケイを傷つけた。

「ごめん、ケイ。」
「えっ?」
ジャケットを脱いで、ケイの頭からすっぽりかぶせる。
「頭かばって!絶対こっから動くなよ!」
握っていた銃にこめてある弾丸を、全弾天井に向けて発砲する。
真上が崩れてもまだ、周囲の壁や天井を打ち抜いていく。
新しいカートリッジを二丁の銃にこめる。
濛々と砂埃が巻き上がる。
既に天井が崩れた光の中を、複数の人間が走ってくる。
それまで影にいた人間は一様に、光を遮る仕草で腕を持ち上げた。

今だ!!


何が起こったのかわからなかった。
膝を突いて突っ伏したままで、ショウが突然おこした行動に呆然としている。
朦朧とした頭を何とか働かせようとしても、吐きそうな飢餓感に思考はまとまらない。
ただ、血の臭いがどんどん濃くなっていく。
枯渇している肉体は獣じみた本能で血を求めて疼き始める。
混乱している思考は何か不吉なシグナルを鳴らしている。

ショウ!

ぐっと歯を食いしばって、伏せていた頭と視線を持ち上げ様とする。
眩暈に襲われぐらりと傾ぐ視界。
鈍い頭痛に見舞われて、目の前にあった物を咄嗟に掴んだ。
ぬるりと、なにか生温かい感触があった。
確認するように、真っ赤な自分の手のひらと、掴んだショウのシャツを見比べる。
黒いシャツを今度は両手で、しがみ付く様に、握る。
ぽたり、ぽたり…
搾り出されるように、ながれおちているそれは。

「っっ…!しょっ…!!」
返事は無い。
筋肉の収縮する動き、発砲の衝撃でしなる背中。
時折捨てられ、入れ替えられるカートリッジ。
「おい、ショウ!!」
一連の動作でショウが生きて動いていることは把握できる。
けれど、膝立ちでほとんど移動できないこの状況で…そしてこの流血で。

「やめろ!ショウ!!!」

お前は、俺のせいでそんなに血を流してる!
それじゃまるで、俺が傷つけたも同然じゃないか!!
俺が生きるために、俺に喰われたやつらと、どこが違う!!!

たのむから…やめてくれ。