両手を広げて、空に祈りを
2005年03月17日(木)   18.敵同士--私と貴方の関係20題
カテゴリ設定とは違う裏社会話
ラヴラヴ甘々期待してる方はリターン推奨(笑)
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「・・・・あ」
「げ」


廃墟一歩手前という感じの薄暗く胡散臭いビルの廊下で
互いに、互いの正面方向から歩いてくる人影に気付き、
更にそれがよく見知った人物であるのを確認した時点で、嫌そうに声をあげた

入り口から、とある部屋に向かっていたのは、長く薄い茶色の髪の男
男は、自分とは反対に、部屋から出口に向かっていた長く黒い髪の男を見、
心底嫌そうに眉をしかめた


「仕事・・・?」
「そうやけど、そっちも?」
「その正面の部屋の奴ら皆殺し?」
「そう・・・そっちは?」
「その正面の部屋の奴ら皆殺し」
「あー・・・・またそれかいな」
「あんの腐れ適当仲介屋のヤロウ!」
「こう重なると、もはや楽しんでるとしか思えへんな」


立ち止まり会話を交わす2人は、
この状況を想像して楽しんでいるであろう金髪の仲介屋を思い浮かべると、
2人とも軽くコメカミを押さえる


「何回目だよ」
「5回目くらいやない?」
「そっちのが3回くらい先いってたよな」
「そやねぇ」
「報酬半分よこせ」
「じょーだん、仕組まれたことでも先は先」
「あいつのせいで俺がいくら逃してると」
「アンタの行動が遅いからやん?」
「テメェ」


互いに睨み合いながら言葉の応酬
視線だけで人が殺せそうな殺気を放っている

「大体この間のはテメェの完全な横取りじゃねぇか」
「あれは頭を殺った方の勝ちやろ?」
「いきなり出てきていいとこだけ取っていきやがって」
「なんで蒸し返すんや?アンタあの時は納得したんやろ?」
「してねぇよ、引き下がってやっただけ」
「偉そうによう言うわ、あんだけやっといて」
「それこそテメェが納得済みだろ?」

ニヤリと笑った茶髪の男が、黒髪の男の胸倉を掴み引き寄せて、
噛み付くようにキスをする

「・・・相変わらず乱暴やな」
「よがってたくせに」
「ノリノリだった奴に言われとぉないわ」
「黙れ」
「んっ・・・・」

再び口を塞ぎ、今度はそれに応える


「半分」
「なんでや、むしろ俺が払ってもらいたいくらいやろ」
「ま、その辺の交渉は後にするか」
「・・・今回はちゃんとベッドでにしてや」
「考慮しましょ」


互いに攻撃するような長い口づけを交わした後、
2人ともが軽く笑いながら、並んで歩き出す


「ハイド」
「なんや、ユキヒロ」


―――あぁ、もう


「「胸糞悪いほど愛してるぜ」」



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商売敵のくせにセフレ(爆死)