両手を広げて、空に祈りを
2005年03月12日(土)   03.遠い親戚---私と貴方の関係20題

地元でも有名な資産家だったという親父が死んでから
俺には“親戚”が増えたようだ

毎日毎日繰り返される金の話に、俺はうんざりしてた

親父が死んだんだ
まだ四十九日も済んでない
静かにしろよ
・・・・ほっといてくれ!!



「・・・・で?あんたも“遠い親戚”とやら?」

俺を訪ねてきた、初めて見る顔
今まで来た“親戚”たちよりもかなり若かった

「うーん・・・・まぁ、そんなもんかな?」

苦笑しながら、その人は俺に握手を求めてきた


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なんかしらんけど・・・・なんでかしらんけど
その人はいつの間にか、今まで来た“親戚”を次々と追っ払っていってた
葬式や、家のことをやってくれていた叔母さんが、
頭を下げてお礼を言っていた


「・・・・“遠い親戚”やなかったん?」
「君のお父さんにはずいぶん世話になったんだ、何か恩返しがしたくてね」
「そう・・・やったん」
「うん、これからも何かあったら言ってくれていいからね」

弁護士をしているというその人は、
お金とか相続のこともいろいろ教えてくれると言う

それから、俺はやっとほっとして
肩の力を抜いて、親父に線香を上げられるようになった


「ユキヒロさん、これからもどうぞよろしく」
「うん、こちらこそよろしくねハイド君」


その人は、俺にとって1番頼りになる、“遠い親戚”だった


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ユキファイになってません(爆)
いやいや、これからですよねぇ(笑)

20代中間くらいであろう弁護士ユキ氏と、
高校生設定のハイド君のお話でした(笑)

・・・楽しいなコレ(ヲイ)