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警察官さんのその後
2004年11月01日(月)

もう随分前になるが
ある警察官が脳梗塞で入院した。右半身の麻痺。
参考←クリックしてね♪


麻痺の怒りを私たち看護師に向けていた彼。
病院自体を非難し
すべてこの病院が悪いと言い続けていた。
病気の受け入れがなかなかできなかった。

そして、入院してすぐ奥さんが心筋梗塞で亡くなった。

安静が必要な時期ではあったが
急遽退院し、落ち着き次第
自宅の近くの病院に転院するということになった。


病院では泣かないと決めている私でも
言葉に詰まりながら
二人で話をした。

なぜか二人ともひきつり笑いで話しをする。
『ほんと、こんな病院にきたからロクなことがないよ!』
『あはは。またそれを言う〜〜〜』

っていつもの軽い会話から
警察官さんは
『このまま途中で身を投げられたらなぁ』
って笑いながら話す。


必死に涙をこらえながら
警察官さんに私の思うままを言葉にした。


奥さんのことは私も悲しい。
でも、なによりも私が一番気になるのは
あなたのことです。
麻痺が進行しないか、この状況でしっかり眠れるか
お葬式が終わったらちゃんと病院に行って治療を受けてもらえるか。
とにかく・・・
あなたの事が心配でならない。

だまって聞いていた。
そして同僚の人と車椅子に乗って自宅へ帰られました。



あれから随分月日がたった。
パトカーをみるとふとその人を思い出したりする。



仕事が終わり自宅近くを歩いていると
すれ違ったおじさんに声をかけられた
『なーちゃんさん!』
振り向くとその警察官さんが立っていた。
満面の笑みで。

杖をつかずに歩いていた。
ほんとうなら抱きついて喜びたいところでしたが
怪しいのでやめました。

相変らず
『あんたんとこの病院にいなくてよかったよ。
歩けるもんも歩けやしない』

なんて憎たらしい事を言いますが
目は笑ってます。
しかも、私の名前まで覚えてくれてるし。

医師からは職場復帰は不可能と言われていたが
必死にリハビリをし
今では派出所勤務していると。
いろいろと話をしてくれた。

ずっと胸が詰まる想いで
彼の話を聞いていた。
嬉しくて今度こそ涙が流れそうです


いや。。。警察官さんと別れてから
流れちゃいましたが・・・・





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