uchie◎BASSMAN’s life

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2003年10月22日(水)
■映画「光の雨」

連合赤軍の話を劇中劇にした映画だ。見る前はなぜ劇中劇にしたのか、それが疑問だった。リアリティーを欠くのでは?と思っていた。
しかし、そうしなければ今作る映画としてただの恐ろしい昔話になってしまうのだろう。
1972年の話だ。僕が生まれる少し前のこと。うちの両親は赤軍の首謀者達とほぼ同じ歳。当時日本でこんなことが起きていたのか。信じられない感覚である。今の日本は60年代、70年代の運動を隠蔽してしまったかのように見える。
30年前の日常は、彼らを闘争に駆り立てるような危機がどれほど転がっていたのだろうか。それは何だったのだろう。そして現在、世の中はどうなのだろう。当時敗北した若者たちは50代になり、社会でどう生きているんだろう。敗北感に後ろめたさを感じているんだろうか。(その敗北はバブル漬けで育った今の40代前半の連中を作ってしまった気がするが)
赤軍の行動は狂気に満ちていて恐ろしいが、それでも理解することは出来る。
生まれたときから、他人からモラルや理念を押し付けられるこの社会というのはある意味、恐怖だ。大抵の人は、“なぜ勉強しなければならないのか”という疑問を持ちそれなりにいいオトナになるのだが、もっともっと人間の存在として基本的な部分に気がつくと、社会というのは凶器であり恐怖である。
僕がベースを弾くのもそんな社会に対するささやかな抵抗だ。楽器、あるいは芸術に触れることで社会にはない面白い世界を垣間見ることが出来る。
もちろん社会の恩恵に授かっている部分もある。だから、ささやかな抵抗なのだ。
この映画は今の若い世代に対して、“今の日本はどうなんだ”と疑問符を投げつけているようだ。
変なタイミングで早大のサークルの事件が起きている。どうやらいろんな大学で同じようなサークルがあるらしい。どうなんだ、イカれる若者よ!