みかんのつぶつぶ
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2005年05月25日(水) あとに残された人へ

1000の風


私の墓石の前に立って
涙を流さないでください。

私はそこにはいません。

眠ってなんかいません。

私は1000の風になって
吹きぬけています。

私はダイアモンドのように
雪の上で輝いています。

私は陽の光になって
熟した穀物にふりそそいでいます。

秋には
やさしい雨になります。

朝の静けさのなかで
あなたが目ざめるとき
私はすばやい流れとなって駆けあがり
鳥たちを空でくるくる舞わせています。

夜は星になり、
私は、そっと光っています。

どうか、その墓石の前で
泣かないでください。

私はそこにはいません。

私は死んでないのです。



<作者不明 訳:南風 椎>


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