みかんのつぶつぶ DiaryINDEX|past|will
「静かに見守ってあげましょう」 私が、身体についている管を全てとってやって欲しいと要求した。 医師から返ってきた言葉に、彼を見守り見つめる私達はただ、沈黙するしかなかった。 彼の姉が、病室に飛びこんできた。 「ねえ、もういいよね。がんばったから、もう楽にしてあげて」 泣き叫び姉は、私に訴えかけた。 すると彼の目から涙が一筋、こぼれた。 姉の声で、意識が蘇えった瞬間だったのだろうか。 さよならの涙だったのだろうか。 まもなくして、彼の呼吸が止まった。 三年経ってやっと、臨終や葬儀の話しを娘と、ポツポツと会話できるようになった。 娘には、あの頃の記憶があまり無いことがわかった。 三年経って、やっと・・・ 今日は、娘と妹と三人でお墓参り。 わいわいと墓掃除をしてお線香の煙りが風でもくもくと焚き上がり、 枯葉がカサカサと一緒に笑っているような、 そんなひとときを送った。 娘には先日、推薦で受けた大学から合格通知が届いた。 墓参の帰り道に、受験のために訪れた代官山を帰りに案内してもらうことにした。 下北沢へ出て京王線に乗りこむ。途中には東大駒場前があり、息子は二年続けて何を思いこの駅に降り立ったのだろうかと考えたり。 渋谷から東横線に乗り換え代官山へ。 娘は一人でこんなところまで来るようになったのだなと、ちょっと感動。 タダシくん、お元気ですか。 こちらはみんな、元気です。 あいちゃんが案内してくれた大使館前で写真を撮りました。 楽しかったよ。 また来年も、三人で会いにゆきますので。
みかん
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