みかんのつぶつぶ
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2004年08月09日(月) せつないこと。

夜、涼しくなってからゴルフの練習へ向かう途中で、
民家も少なく街灯もまばらな細い道の向こうから、
路線バスがボーッとした光を放ちながらやってくる。
バスのなか乗客はまばらで、ポツンポツンと黒い人影。
私はいつもこのバスを見かけると、
ちょうど同じ時期にこのバスに乗車していた自分の姿を思い出す。


3年前の8月、長い距離をゆくこの路線バスにゆれらゆられながら、
ただぼんやりと、ため息をつくことさえも忘れてぼんやりと、
シクシクとする鈍い心の痛みをやり過ごすように、
ただぼんやりと、バスにゆられていた。
病院から帰るときって、
なるべくゆっくりと、
時間をかけてゆっくりと、
心をそっとそっとする時間を保っていた。
それは、
心の傷んだ顔を子ども達に見られたくなかった。
お父さんが可哀想で可哀想で・・・って、
ポロリとこぼしてしまいそうで。
だから、
ゆっくりとゆっくりと、
喉の奥に涙を流しながらゆっくりと、
全て飲み込んでしまうまで時間をかけて帰った。


疲れてたなあ・・・。
頑張っていたなんて全く思わないけど、
精一杯だったって、思うんだ。


あの頃その前を通過するだけだった練習場へ、
明日ゴルフへ行くために練習場へ向かう。
バスとすれ違いながら、
あの頃の私は不幸だったと思わないし、
いまの私が幸せだとも感じないのは、
なぜなんだろうって、切なくなった。




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