みかんのつぶつぶ
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2003年11月12日(水)

今年は横浜も、木々が綺麗に色づいているような気がする。最近の雨と冷えこみで、枯葉は渇きから救われ、色を深く深くさせているような。


最後の日々を過ごした病棟。看護をしてくださった看護士さんのお一人に花束を渡せた。様々な複雑な想いを抱えていたこの病棟だったが、訪れてみれば、ここは私と彼の大切な時を共に過ごした場所だという感情、気持ちのなかに広がる温かい・・・そう、なぜか胸の中にほんのりと、柔らかい温度が蘇えるような感覚があった。彼が死んでから閉ざしていた忘れていた何かが・・・。


私の顔を見て、すぐに名前を呼んでくれた看護士さん。ついこの間のことのようですね、と。
やっと、お礼に伺うことができましたと頭を下げることができた私。自然に、全てのことに、人に、感謝の気持ちを込めて。


18年という結婚生活を凝縮するように密着して過ごした入院生活。


子ども達が独立し二人年老いたら、一緒に日本全国を旅したいなあと言っていた彼の言葉を思い出す。
旅をするには、いい季節だね。


だから逝ってしまったの?



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