みかんのつぶつぶ
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2003年02月18日(火) THE PIANIST

久しぶりに、何を観るという目的もなく映画館へ行った。小雨降る本牧、WEEPING IN THE RAIN。

映画館の暗闇にホッとしたりする自分がいることに気づく。どこまでも根が暗いと苦笑。台風が近づく準備で雨戸を閉め切った部屋に昼間からいることにワクワクしていた幼児時代を思い出す。色はモノクロ。



この廃墟に絶望する以上にもっと大きな現実に囚われていること、それはダビデの星という記号をつけた主人公が身を潜めなければならないという現実。
かつて私が病院から帰る道で抱いた心のなかの廃墟。日々広がる眼前の現実に、悲嘆していられない私の立場。そんなことと重ねて眺めた場面。

信号機の色を見て動いたり止まったりということが自然な行動になるように、人はそれぞれが誰かに記号をつけているのかも知れない。そしてその記号だけに反応をするのだ。記号だけで判別選別をしているこの世の中に流されることが「賢い」といわれる生きかただという。個性のない時代。みんな同じ顔に見える。

スクリーンセイバーをかけた表情や心と付き合うのは苦手だ。


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