みかんのつぶつぶ
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朝6時。ゴミ出しついでにコンビニへ行く道で。 秋の匂いと冬の匂いが混ざっている朝の匂い。
朝。 冷えた朝。
雲の多い朝の空。
父が逝った朝。
あの朝の匂いを思い出して、 どうやって歩くのか忘れてしまいそうになった自分に驚く。
太陽は7分前の姿だという。 私の姿も7分前の姿かも知れない。 そして、 7分前、いや、1年前の私の姿がそこに見える気がする。
どこへ行っても見える気がする。 そう、 いまはどこかへ出かけるために通過するあの病院の門を通る時、 車椅子を押す私が見える。 車椅子を押す私が現在の私を見ている。
あの日あの時、生きているのは本当に辛いと思ったあの日、 1年後の私は私と彼の姿を目に止めながら通過する。
街のなか、歩く彼を見る。 現在の私に気がつかない彼を見る。
私は7分後の私。
何億光年も先にいる私。 二度と同じ時はない。
脳のなかに光るリンク文字。 クリックするのは私ではない。 感覚がそのリンクをクリックする。
固体を作るためにエネルギーを蓄える。 壊れる時はエネルギーを放出する。 その放たれた粒子が、 また新たな固体を作る。
父も、彼も、 新たな固体になるために宇宙へ飛び散っていったのだ。 私達のなかに同化しているのだ。
そしてまた、 私は新たな固体を作るために生きている。
生きていていいんだと確認する。 生きたいと思っていいんだと確認する。 自然なことなんだと確認する。
空は、いつも無言で広がっている。
ずっと前から全てわかっているように。
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