みかんのつぶつぶ
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久しぶりに、夕暮れの街を歩いた。
「奥さん、旦那さん大部回復されたんで あんまりご無理なさらないほうがいいですよ。 様子を見て、少し早く帰られたら如何ですか…」
この数日の私の異変に看護婦さんが気づいてしまったらしく( ̄∇ ̄;) 廊下で出会うとみなさん声をかけて下さる。
私のことまでも気遣ってくださる言葉が嬉しくて、 それだけでも励みになるものだなぁ。
みなさん、ありがとう。
「今日は、少し早く帰ろうかな」
「うん、そうしろよ、大丈夫だから」
そう言いつつも、なんだかんだと用をいいつけてくる。
その気持ちが気の毒で、つい面会時間いっぱいまでいるようになってしまっていた。
だが、自分の不調が本格的になってしまいそうなので、 五時には病室をあとにしたのだ。
のんびりと、電車の窓から夕陽を浴びて、 ゆっくり食料品を買って帰宅できた。
今週は、このペースでいけるかなぁ… 来週から、抗がん剤を入れる予定だというから、 自分の体調を整えておかなくてはいけないね。
…今週は、束の間の休息だね、お互いに。 上履きは、歩きやすいって喜んでいたし(^.^) 小学校では1年2組だったなんて、思い出したらしいし(笑) お風呂上りはホントにイイ気分だと、満足げだったし…
病室で、 ベッドの上で、 一生懸命生きている喜びを 私に知らせてくれる 生きている楽しみを 精一杯味わいたいとせがむ
その姿を思い出し なぜだか物悲しくなってしまうのは いけないことでしょうか
病人でも、生きている
夕暮れを ひとり病室で迎える姿を思うと やっぱり置いてきた後悔が 心に迫る…
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