みかんのつぶつぶ
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2001年04月17日(火)

久しぶりに、夕暮れの街を歩いた。

「奥さん、旦那さん大部回復されたんで
あんまりご無理なさらないほうがいいですよ。
様子を見て、少し早く帰られたら如何ですか…」

この数日の私の異変に看護婦さんが気づいてしまったらしく( ̄∇ ̄;)
廊下で出会うとみなさん声をかけて下さる。

私のことまでも気遣ってくださる言葉が嬉しくて、
それだけでも励みになるものだなぁ。

みなさん、ありがとう。

「今日は、少し早く帰ろうかな」

「うん、そうしろよ、大丈夫だから」

そう言いつつも、なんだかんだと用をいいつけてくる。

その気持ちが気の毒で、つい面会時間いっぱいまでいるようになってしまっていた。

だが、自分の不調が本格的になってしまいそうなので、
五時には病室をあとにしたのだ。

のんびりと、電車の窓から夕陽を浴びて、
ゆっくり食料品を買って帰宅できた。

今週は、このペースでいけるかなぁ…
来週から、抗がん剤を入れる予定だというから、
自分の体調を整えておかなくてはいけないね。

…今週は、束の間の休息だね、お互いに。
上履きは、歩きやすいって喜んでいたし(^.^)
小学校では1年2組だったなんて、思い出したらしいし(笑)
お風呂上りはホントにイイ気分だと、満足げだったし…

病室で、
ベッドの上で、
一生懸命生きている喜びを
私に知らせてくれる
生きている楽しみを
精一杯味わいたいとせがむ

その姿を思い出し
なぜだか物悲しくなってしまうのは
いけないことでしょうか

病人でも、生きている

夕暮れを
ひとり病室で迎える姿を思うと
やっぱり置いてきた後悔が
心に迫る…


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