十年や二十年先、あるいは一生を視野に入れて考えるから行き詰るのだ。考えるべきは次の五年をどうやって生きるか、だろう。この一年半、考え続けた結果として、そこに行き着いた。
あの夏からはじまった僕の二十代後半は、およそ五年という節目で一つの区切りがついた。そして、僕がおぼろながら想い描いていた未来や可能性はついえた。未来はなくなった。その失意の中で考え続けた結果、次の五年を生きるしかないという結論に至ったのだ。
気力、体力ともに充実していられるのは多く見積もってもあと十年だろう。三十代後半には身体がついてこなくなるかもしれない。精神面や技術面ではまだまだ天井は見えない。けれど、体力や気力が続くかどうかはわからない。
だから、十年後や二十年後を視野に入れて人生設計するのではなく、今出来る事をやるべきなんじゃないかと思った。
ライフワークというか、自分を失わす自由に生きるという生き方さえブレなければ、とにかく今出来る事をやっていけば後悔はないんじゃないかと思う。あとはどれだけ本気でやれたかで自然と結果が示されるだろう。
だから、僕はいま、次の五年を考えようと思う。
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