シルバー王女の鵜の目鷹の目耳ダンボ!!

大した事じゃないけど誰かに喋りたい…

2009年05月05日(火)  月光のカンタータ観劇日記5

世の中の「こどもの日」に、
こんな日記をつづる、ダメな大人です(笑)
ダメな大人といえば…
も、止まりません〜っ!!買い物欲が!!
そりゃ、うちも閉店セールやってるけど!
よそも、閉店セールやってるわけです。
コート2枚に、ゴブランのジャケットショートとロング、
それにワンピを一枚買っちゃった!
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それぞれの愛・その6 「やっぱり報われない愛」

シモーヌ→アルベール
フランシス→アルベール

言わずと知れた歌うまコンビ(笑)
そもそも、メインラブ、アルベール×ローランの話題に完全乗り遅れたフランシス。
しばらくぶりに来てみたら、アルベールが輝くばかりになっている!
(あぁ、そりゃもう彼にしてみたら眩しいだろうよ)
いったいどうした事だと問い詰めれば、
すでに悟りの局地への階段を上りかけていらっしゃるシモーヌ様。
「ローランという、ジョゼにそっくりな見習い修道士のおかげなの」

「ジョゼにそっくりな若者がアルベールと共に過ごした?
 シモーヌ、君はそれで平気なのか!?

…とっさに本音がチラリのフランシス。
「共に過ごした」間に何かあったかもしれないのに、それで平気なのか?
…だよね?

もう、嫉妬心にすっかり火がついちゃったフランシス。
(アルベールとキスしちゃう仲だった…いや、それ以上か?)
ジョゼにそっくりなローランとかいう若造が!?
俺のアルベールと一週間もっ!?いったい何をしていたんだーっ!

俺は、卑屈なアルベールが良かったのに!俺だけを頼って欲しかったのにぃ〜っ
お前の事を慰められるのは俺だけだ、お前の中の一番は俺だったのに〜!
(…シモーヌは、問題外?)
…♪憎い憎い憎い〜っ!!…っと、フランシス、ホンネの一曲…。
いや、石黒さんの声の本当に素適なこと…
ついつい力の入った憎い連呼の歌声だけど、感情がこもっていて、揺さぶられるわぁ…

だ〜けど、報われない愛。
フランシスはついに、嫉妬のあまりローランを殺す夢まで見ちゃうし。
いやでも、この時点でフランシス、ローランに会ってないし。
ローランはフランシスに会ってないし。

後で夢オチかってわかるからいいようなものの、最初は脳がピヨリ???
だってお互いに存在を知らないはずなのに
「ローラン」「フランシス様」とか呼んじゃってるし。
まぁ、細かいツッコミですわね。

フランシスがあからさまに憎いを連呼する一方、
シモーヌはひたすら悟りの境地への階段を上り続けます。

これは二人の対比なのかしらね。

シモーヌは、
何かを捨てて得られるのならば、
あの人の愛と引き換えに全てを捨ててもいい
今、私が望むのは人を責めない心、

フランシスは、
何かを捨てて得られるとしても、そんな愛に価値はない、
今、私が望むのは君との友情

最後にアルベールが加わり、
何かを捨てて得られるのならば、疑う心を捨て去ろう
今、私が望むのは永遠に清らかな愛、お前の心


♪それが〜…あ〜い〜っっ
…と、それぞれがそれぞれの愛を歌います。
♪愛は清らかで気高く、だけど、脆く壊れやすい〜
っとね。メロディも、歌詞の内容もとても綺麗にまとまっていて、
(状況さえ考えなければ)yけっこう好きな歌です。
(若干、アルベールの「清らかな愛」ってところに突っ込みどころを感じますが。)

だけどねぇ…シモーヌ…。
愛しても報われないけれど、だからと言って人を憎みたくない
…というコンセプトらしいんだけど。
なんか…それって、そうよねぇ…って感情移入が非常にしにくい。
時間が経てば経つほど、シモーヌの悟りの境地への心境の変化に…

それでいいのかっ!?

と、突っ込みたくなるむずがゆさ。
ローランに嫉妬しないのか?と(自らは嫉妬しまくった)フランシスがシモーヌに問うと
そうじゃない事はないけど、「そんな自分が嫌なの」と、答えるシモーヌ。
そこまではわかるよ。そりゃそうだろうよ。
嫉妬心のある自分っていうのは、例え何に対してであっても気持ちいいものじゃない。
じゃ、自分を好きになるためには?
(泣けてくるね。この状況でシモーヌのことを愛しているのはシモーヌ自身だけだよ?
 そのシモーヌ自身ですら、自分の事よりアルベールのことが好きなんだから。)

「嫉妬しなければいい」
嫉妬しないためには?
「いっそ、相手も愛してしまえばいい」
…。
ここに、理解できない心境が生じる。
普通、自分のフィアンセなり旦那なり、恋人なりが
「恋愛感情を持って好きな男の子」を愛せますか?
愛せるとしたらそれは、その彼を本当に愛している事になるの?
凡人にはわかりません。えぇ、私は凡人ですので。
ところで、舞台を見ているほとんどが、凡人なのではないでしょうかね。

シモーヌは、アルベールが好きな彼を愛する事で嫉妬心を無くし、
フランシスは、「友情」という彼の中の自分の位置を確保する事で、
ローランに対する嫉妬心を消滅させる。

ここに二つも「報われない愛」があるっていうのに、
その二つともが、それぞれが勝手に自分の中で昇華して
アルベールとローランの愛には何の関与もしないところに
この脚本の最大の問題点を感じます。


何故なら…
誰も二人の仲を邪魔しない。
これじゃぁ、(見ているこっちの気持ちが)盛り上がらない。

愛を鑑賞する時に、見ている側の気持ちが盛り上がるのは、
障害があり、それを克服するからではありませんの!?

男×男も、ノープロブレム!
アルベール ローランに向かって時速200キロ!
ローラン そんなアルベールに引きずられるように同一方向へ進行中。
フランシス 自分の位置(せめて友情的ナンバーワン)を確保しつつ見守る姿勢。

シモーヌ いっそ応援する姿勢
パパたち 心の底から応援中

…誰も邪魔しない。
もちろん嫉妬のあまり何かの事件が起きるはずよね?
という期待もむなしく、フランシスVSローランは夢オチ。
そういえば(最後までひっぱる)セザールはどうしたよ?何か事件を起こしちゃくれないのか?
例えば、ローランを誘拐するとか。アルベールをとうとう売り飛ばすとか!
…別に無い。何の事件も起きない。

ベルばらを御覧なさい?
身分差という障害に邪魔をされるオスカルとアンドレ
オスカルが身分を捨てる事で障害を克服し、晴れて両想い成立!
…その過程に読者なり、観劇者なりは萌えるのですよね?

エリザベートを御覧なさい?
この場合、なかなか振り向いちゃくれないシシィ自身が二人の愛の障害。
そのシシィをトート閣下が力で押しまくり、とうとうその愛に気づくシシィ。
…その障害となるべくシシィの拒否感情を押しまくるトート閣下に観る者は萌えるのです。

何の問題も無い恋人同士を見て、何かワクワクしますか?
しませんよね。
なんの障害も無いカップルの愛なんて、山手線に乗ればいくらでも見られますわよ。
そんなヒトゴトに興味は沸かないわ。
だけど、その山手線に乗っているカップルが、駆け落ち中だとして御覧なさい?
とたんに、そんなヒトゴトに興味深々になりませんか?

愛は試練があるから(観ている者は)萌えるのです。

余談。
夢オチの中で、アルベールは剣を振りかざし、フランシスを追い掛け回します。
あぁ…かっこいい…←所詮ファン
(だけどやっぱり、大げさな衣装着てるなぁ…)


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