新月の夜に約束しよう
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2010年06月26日(土) 無題

 また今日もボランティアの休日出勤。
 私は本当にこのやり方を憎悪している。
 用事があるので午前中だけ、と言ったところ物凄い剣幕で怒鳴られた。
 実際に出社してみると大した作業はないというのは予想通り。
 怒られようがなんだろうが、私は予告通り午後になって会社を出た。


 夜は友人達四人と飲みに出掛けた。
 一人は転職活動中、私も含めた三人は会社を辞めようとしている。
 もう末期的な状態だ。
 「岩牡蠣四つ」
 「あ、三つでいいです」
 「舞茸の天ぷら四人前」
 「あ、三人前で」
 オーダーにいちいち修正を入れるのは転職活動中のノダさん。
 好き嫌いするなと私に言われながら、彼は太刀魚の刺身に箸をつけた。
 彼は前日に熊本まで面接に行ってきたのだった。
 採用されたらもうこちらには帰ってこないと言う。
 私は彼のことが本当に好きで、さびしい気持ちを隠すこともしなかった。
 「一緒に来れば?」
 出来るものならやっている、と私は笑った。


 別れ際はひどい雨だった。
 四人で手を振って再会を約束した。
 少し前までこの仲間は六人だった。
 一人は癌と今戦っている。
 もう一人は親が倒れて、田舎に戻っている。
 そして、もう一人が遠くへ去ろうとしている。
 私はいつも決まって残される側。


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