新月の夜に約束しよう
DiaryINDEX|past|will
昨年、私が仕事を辞めたいと言い出した時にトミタさんが飲みに誘ってくれたことを思い出す。 彼女は私と同い年のエンジニアで、とても真面目な人。 いつも私の家族のことまで気にかけてくれる。 なぜ私のような気持ちにならないのかと問うと「転職難しいからね」とさらりと言った。
年明けのある日。奥歯が砕けそうなほど憤りつつ言葉を呑み込んだ時には、アヤセさんが私のことを心配してくれた。 彼は私より少し年下のデザイナー志望だがやはりエンジニア。 学生時代のほとんどをアメリカで過ごしたせいか、かなりの自由人。 「いなくなると困ります」本気か冗談か、彼は笑いながら言った。
昨日はトミタさんにとって大変な一日だった。 夕方に力尽きたようにしている彼女に私は言った。 「トミタさんも転職考えませんか? 私もそろそろ転職サイトに登録しようかと思ってます」 ↑投票ボタンです
あれ?
水曜日にはキャンプの準備を始めて、と妻と先週話した。 食事の内容を決めて食材を用意したり、持って行く装備を選んだり。 未だにスタイルが確立されていないがゆえに、何も考えずに出掛けることができないのだった。 しかし、週末の予報は雨。 妻が溜息をつきながら言った。 「もういいよ。天気予報見ながら金曜日の夜に全部準備すれば」 入念な準備をしていても、前夜の彼女にはいつも寝る時間がないと言うのに。
|