白馬鹿日記

2006年06月03日(土) そりゃウルサイけどさ

久々にバイク屋へ。いや、2ヶ月ぶりならそうでもないか。ほとんどヒキコモリな今日この頃。
何をしに行ったかと言うとリアブレーキパッドの交換。リプレースパーツで面積が狭いせいかライフが短い。ま、大して高いモンじゃないからいいんだけどね。停まるほうは金を惜しむと命に関わるし。
で、店が暇なのをいいことに(いいことなのか?)しゃべりこんでいると、「どうやらまた音量規制がキビシクなるかも」という話になった。
現在、自動二輪の音量規制は年式によって近接排気騒音が94〜99dbである。これを新車並み、という事は80db後半にしようとしているらしい。例えば新基準を88dbとすると現行車種からさらに6db下がるワケで、何だたったの6%じゃねえかなどと思ったら大きな間違いであり、db単位においては3db変わると音のエネルギーとしては2倍の差があるのだ。つまり現行の1/4にしろと言っているワケであり、この辺は実は私もさっきネットで見て知ったばかりなのだが実に無茶苦茶な話と言って良い。現行の規制値というのは音量はもちろん排ガス規制も世界でトップクラスのキビシさであり、それをさらに減らせと言っておるのだ。何を考えているのだろう。

さらに言えば測定方法もどんなモンかと思わざるを得ない。近接排気騒音というのは「停車時にエンジン、排気管から発生する騒音」であり、「最高出力時の回転数の75%(最高出力時の回転数が5000回転以上の場合は50%)の回転数で、排気流方向から45度、排気管から0.5m離れた場所の音を測定」するとされている。俺のバイクで言えば最大出力の7500÷2=3750rpmだが停車時にそんな馬鹿みたいな空ぶかしをし続けた事など無いし、それをわずか50cm離れたところで五月蝿いウルサイと文句を言いながら聞いてるヤツなどというのを見た事はもっと無い。これが走行中でトップギアだと速度がだいたい110km/h、10年落ちの国産のネイキットでもすでにスピード違反の回転域である。法規的にはそこまで回せる場所が無いのだ。それをまあ、いったいどんな車種を餌食にしようと思ったのか知らんが125超の短気筒からリッター超マルチまでを十把一絡げに規制しようというのをおかしな話と言わずに何と言おうか。せめて排気量&エンジン形式毎に規制値を分けるくらいの事はして頂きたいものだ。


短亀頭いや短気筒のバタバタ君にケチをつけた時にも書いたのだが、問題は音量より音質なのだ。無論、音量は無制限でよろしいなどと言うつもりは全く無い。世界に誇れる厳しい規制を施行している現在の状況は立派なものと言って良い。ただ、その音量の範囲でも良い音もあれば気にならんという音もあり金属バットを持って外に飛び出したくなる音もある、という事だ。元バンドマンとして言わせていただくならば、そこそこ弾けるヤツがピアノを叩く、いや弾くとあっという間に100dbくらいは出てしまう。で、そこそこ弾けるヤツのピアノ演奏を雑音だと言ったら、賛成反対比はせいぜい8:2というところだろう。これが何を意味するかと言うと、大勢が素晴らしいと思う音でも耳障りだと思うヤツはいるし、逆にどんな音でも悪く無いもしくは気にならないと思うヤツもいる、という事だ。二輪車の排気音に関してはもちろん少数派だろうが、たまたまバイクの音の嫌いなヤツが法案提出できる立場にいたというだけで無茶な要求を押し付けられてはかなわない。これが通ったら日本人が実用化した二輪マルチの集合管を細々ながらもパーツ産業として定着させたメーカーの多くが立ち行かなくなる事は必至である。小規模産業などどうなってもかまわない、というのが行政府のスタンスだとしたら、この国にもう未来はないのだよ。


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うるま [MAIL]

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