つぶやき

2001年09月13日(木) 『カレカノ』と『彼方から』

最近まんが紹介ばっかり書いてるな(笑)
まあいいでしょう。
ということで、今日のお題はLaLa誌における「彼女がいないと丸出だめ夫(精神的に)」な二大巨頭(笑)・有馬総一郎くんとイザークについて語っちゃいましょう。

まず、カレカノこと『彼氏彼女の事情』。どうでもいいけど事情の字の並びを逆にするとかなりヤバめのタイトルになる(爆)
そんなことはどうでもいいですね。のっけから失礼しました。
これはアニメにもなったから知ってる人も多いんでしょうね。でも私はアニメ版は見てません。唯一、確かあさぴんの声が私市さんだったような、ということだけおぼろげに記憶にあります。

このマンガって、最初はラブコメみたいなノリで始まったんですよねー。内弁慶の優等生が正体を知られた男の子と恋に落ちる、みたいな。ところが、話が進んで有馬の内面に触れるにつれ、だんだん内容が暗くなってきてます。
雪野と有馬と、2人とも「正体を隠した」優等生であることは同じなんだけど、2人の内面には決定的な違いがある。明るく社交的かつ積極的で、自分に自信を持ち前向きに生きる雪野と、常に周囲に気を遣い、「人に気に入られるような自分」を演じるべく努力している有馬と。
それは2人の育った環境によるだろうと思う。両親に惜しみない愛情を注がれて育った雪野。実の母親にさえ愛されなかった有馬。だから有馬は、自分を引き取って育ててくれた今の両親に甘えたり我儘を言うことができない。
唯一「ありのままの自分」でいられる雪野も、これから彼女自身の世界がもっと広がって、自分との距離も広がっていく。
人の内面世界は複雑で、いたずらに深淵を覗き込めば取り返しのつかないことになることもある。でも壊れそうな人の心に気付かずに通り過ぎてしまったら、やっぱり後悔することになる。
次第に歪みを生じていく有馬の心に雪野がどうやって気付けるか、が最大のキーポイントかなぁ、と思います。
なんにせよ危険な男だよ、有馬総一郎。そして暗い!!カレカノ!
いつになったら明るい未来が見えるんだ!

そして『彼方から』。この間12巻が出たのでちょっと嬉しい。やはり隔月連載は待つのがつらいです。
無口で無愛想だけど優しくてカッコイイ無敵のヒーロー。見た目は完璧なイザークですが、この人もねー……。だんだんヤバい感じになってます。

ノリコへの想いが強くなればなるほど、失うことへの恐怖も増していく。人は「何に代えても守りたいもの」があれば、どこまでも強くなれる。でも同時に「決して失いたくないもの」があるということは、弱点をさらすことにもなる。
ノリコが敵の手に落ちて、通信手段さえも断たれた時、イザークの心の不安は増幅して暴走する。それはイザークの中の「天上鬼」を呼び起こすという最悪の結果を招いてしまう。誰よりも強いのに、誰よりも繊細で脆いイザーク。何も持たない普通の女の子だけど、全てを懸けて必死にイザークの心を守ろうとするノリコ。2人の精神的な立場は、実は物理的な力関係とは全くの逆位置にある。
この作品も含めて異世界もののセオリーとして「召喚された者は全てが終わったとき元の世界に帰るのか?」というのがある。
『エスカフローネ』や『レイアース』(どちらもTVアニメ版)のラストに憤慨した私としては、ノリコがイザークをたった1人残して帰る、という結末だけはやめてほしい。私はハッピーエンドが好きなのだ。ノリコにとって何がハッピーエンドなのかというのを突き詰めると面倒なんだけど…。(家族の元に帰ることが幸せなんじゃないの?と言われると非常に困るので)

でもやっぱりラブストーリーだし、好きな人の所に残るのが幸せですよね?
イザークに肩入れしちゃう私としては、独りぼっちに戻って終わるイザークなんて見たくないんだもの。


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