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日曜日だけど朝5時起き。本日は、お茶会の日だからだ。
お茶人の朝は早い。
現に今朝も朝8時半に現地集合なのである。
朝食をとって、化粧して、髪をアップにして、着物を着て、などと
バタバタ身支度していると、どんなに早起きしても時間が足りない。
「髪型がうまく決まらない〜!」「二重太鼓が綺麗に結べない〜!」
「帯揚げの始末がなんだか変〜!」「あー、もーやだ、着物メンドー!」
と心の中で叫びをあげつつも、なんとか人前に出られる格好を整えて
大急ぎで自宅を出る。結局、集合時間ギリギリに到着。
今回のお茶会は大寄せのお茶会で、1回約30分、お客20人程度のお茶席を
10数回廻すのである。これが表千家とか裏千家とか東阿部流(煎茶)とか
複数の流派ごとにお茶席が設けられていて、なかなか盛大なのだ。
私は裏千家の3回目のお茶席でお茶を点てる、亭主の役だ。
今回のお茶席のために準備された道具をチェックしたり、実際にお茶席に
足を踏み入れて歩く練習をしたり、などなど、落ち着きなく水屋をうろうろ
しているうちに、いよいよお茶席が始まった。
ちなみに、お手前をしないときには、お茶やお菓子をお客さまに運ぶ、
お運びの役も勤めるのだ。
そうこうしているうちに、いよいよ自分たちの出番がやってきた。
半東を勤めてくれるHさんと、がんばろうね〜とそっと声をかけあった。
いよいよ、お手前デビューだ。あぁ、もんのすごく緊張する。
まず、お茶杓と茶巾を仕込んだお茶碗と、棗を両手に持ち、茶道口で
お客様にご挨拶。それからお茶碗と棗を水指の前に置いてから、次に
建水を左手に持って、お釜の前に座る。柄杓を両手で構えてから、
建水の中に仕込んである蓋置をお釜の側に置く。柄杓を蓋置に載せ、
お茶碗と棗を自分の正面に持ってきて、棗と茶杓を袱紗で清める。
とりあえず、次に自分が何をなすべきかだけで、いっぱいいっぱいに
なってしまい、あがっている余裕もなかった。実は2箇所ほどお手前の
やり方を間違えたのだが、知らん顔してお茶を点てつづけた。
今日点てた薄茶は、今までで一番美味しそうに点てられたと思う。
そんなこんなで、初めてのお茶席での亭主役は、あっという間に終わって
しまった。ちょうどお客としてお茶席に参加してくれた、友人のMさんは、
「堂々としていて、なかなか良かったよ〜」と褒めてくれた。
他のお客さまにも、そのように見えてくれたのなら嬉しいのだけれど。
自分の出番が終わったら後は自由行動してもいい、と先生からお許しが
出たので、午後からはHさんMさんとともに他の席を廻って来た。
某茶席では、うっかり次客(二番目にエライお客)席に座ってしまい、
少々焦った。あまりお客としてのふるまいの練習はしてなかったので。
それにしても、こうしてお客として他人のお手前を見ていると、その人の手前の
優劣がよくわかる。そういう自分も、きっとアラだらけなんだろうけど。
一番興味深かったのは、香席の手前だった。
今日は伏篭手前なるものを見せてもらった。源氏物語のような平安貴族の物語に
出てくる、伏篭(ふせご)という篭を伏せて、そのなかの香炉に香をたき、
着物を伏篭の上にかけてたきしめる、というアレである(実際には篭は使って
いなかったけど)。
自分が習っている裏千家の手前とは違って、香道の手前は手さばきや足運びが
大振りで優雅で、どこか舞いに似ている。
つくづく、平安貴族は優雅なオシャレをしていたのだなぁ、とも感じた。
お茶会の朝は早いけれど、終わりの時間も早い。
3時過ぎには全席が終了するのだ。
なので私も、夕方には自宅に戻って、着替えて一息つくことができた。
そして夜、なにかをなし終えた虚脱感でボンヤリしている状態。
いや、単に眠いだけかもしれないけど。
準備やら何やらでしんどかったけれど、お手前をやってよかった。
今度は失敗なくお手前ができるようになるぞ!
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