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年下の友人(独身女性)が、最近会うたびに
「仕事関係で気になる人ができたの〜♪」
と、実に楽しそうにその男性の話をしやがります。
彼女はしばらく前まで、タチの悪い男性に付きまとわれていて、
その件ですごく悩んでいたのをよく知っているので、こんな風に
生き生きとしている彼女の姿を見るのはとても嬉しいです。
うん。何歳になっても恋するオトメは可愛らしいねぇ。ふふ。
で。そのたびに「ゆうさんのほうはどうなの?」と訊かれるのですが、
「いや〜。なかなか出会いがなくってねぇ」と言葉を濁すばかりです。
とほほ。
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向田邦子さんのエッセイに「手袋をさがす」という作品があります。
(『夜中の薔薇』所収)
22歳ごろの向田邦子さんは気に入った手袋が見つからないので、
風邪を引いてもやせ我慢して手袋なしで冬を過ごした、という内容の
エッセイでした。そのなかに、当時の上司から
「君のいまやっていることは、ひょっとしたら手袋だけの問題では
ないかも知れないねえ」
「男ならいい。だが女はいけない。そんなことでは女の幸せを取り逃がすよ」
「今のうちに直さないと、一生後悔するんじゃないのかな」
と忠告される場面がありました。
そして向田邦子さんはその夜、自分の気持ちに納得がゆく答が出るまで
自分のうちに向かってどこまでも歩いてみようと決心し、考え抜いた末、
今、ここで妥協をして、手頃な手袋で我慢をしたところで結局は
気に入らなければはめないのです。このままゆこう。
という結論を出したのでした。
私もずっとずっと、気に入った手袋をさがし続けているのかもしれません。
ないものねだりで、どんな手袋がほしいのか。
まだまだ迷っているだけなのかもしれません。
そして迷いながらも、これからも手袋をさがし続けていくのでしょう。
ただ、さがし続けていても「一生後悔」はしないつもりなのです。
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