Sun Set Days
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先日映画館で見た予告編の中に、『ヘヴン』という作品があった。 『ララ・ローラ・ラン』のトム・ティクヴァが監督で、製作が『イングリッシュ・ペイシェント』の監督だったアンソニー・ミンゲラ。ケイト・ブランシェットが主演の愛の物語なのだそうだ。 けれども、何よりも興味を惹かれ、そして観たいと思わされた理由は、この作品がクシシュトフ・キェシロフスキの遺稿脚本の完全映画化であるということだ。
ホームページ(http://www.heaven-movie.com/index.html)の解説を見ると、その部分はこう書かれている。
1996年惜しまれつつ他界した巨匠クシシュトフ・キェシロフスキが、クシシュトフ・ピエシェヴィッチと共同執筆した遺稿。“HEAVEN、 HELL、 PURGATORY(天国、地獄、煉獄)”の三部作のうち、唯一キェシロフスキが書き上げた幻のシナリオである。夫を殺した男への復讐を誓う女と、その姿に恋してしまう若き刑務官。死を覚悟する女と、望みを抱かずに死んだように生きてきた男との運命の出会い。男の一途な愛が女の心を揺さぶり、女は愛のために限りある生をもう一度生きようとする・・・。
その三部作はぜひ観たかったと思いながら、遺された作品があったということ自体を知らなかったから、予告編を見ていてキェシフロフスキの名前が出てきたときには本当に驚いてしまった。 キェシロフスキは最も好きな監督の一人で、『トリコロール』三部作も『ふたりのベロニカ』も、そして『デカローグ』も観てきた。そして、その度にいろいろと考えさせられ、感情を静かに揺らされ続けてきた。学生時代に亡くなったという記事を読んだときには、とても残念だった。
だから、遺稿があったというのは素直に気になるし、見てみたいなと思う。もちろん、それは別の監督の手によって撮られているわけだから、トーンも手法もすべて異なってはいるのだろう。けれども、ある種のバトンリレーのように、若い世代がキェシロフスキの作品を映画化するというのは素敵なことだと思う。
公開は3月とのこと。観てみたいなと思う。
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お知らせ
予告編で流れているテーマソングがあったのですが、それがとてもいい感じの曲でした。
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