Sun Set Days
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2002年10月15日(火) |
はじめてのAmazon.co.jp |
いまさらながらという感じもするのだけれど、13日にようやくはじめてAmazon.co.jpを利用した。 昨年の9月13日付けのDaysで『アマゾン.ドット.コム』(ロバート・スペクター著。日経BP社)を読了して、そのときに「今度利用してみようかなと思う」とか書いておいて、1年以上も利用していなかったことになる(やれやれ)。
そして、今回も利用するつもりが最初からあったわけではなかったのだけれど、「お気に入り」の中にずっと入っていたアマゾンのページを久しぶりに覗いてみて、ちょっと買ってみよう! と思ってしまったのだ。ちょうど、大好きなシリーズでもある『ザ・ゴール』の第3弾である『チェンジ・ザ・ルール!』が発売していたことも手伝って、どうせ購入する本なのだから、だったらちょっと試してみようと思ったのだ。
登録自体はずっと前にしていたので、パスワードを入れてサインインする。はじめての購入なので、好きなジャンルを選んだりして、マイページ(マイストア)が作られる。買っていけば自然と傾向が把握されるようになるのだろうと思って結構さくさくと入力をしていたら、なぜかマーヴィン・ゲイをやたらと薦められるページになってしまった……なぜ?
けれども、気を取り直して、検索をしつつ本を3冊購入する。1500円以上の注文は配送料が無料というのはかなり得した気分になる(1500円なら、ハードカバー1冊で超えてしまうことだって少なくないし)。
注文を終えてみると、マイページ(マイストア)のお勧めの内容が早速変わっていたりする(さよならマーヴィン……)。他にも、自分が注文した本を買った人は他にはこんなものを買っているのですよという情報も表示されていて、たいていの場合趣味が近い人というのは関連する部分だって重なってくることが多いようで、結構なるほどねと思って参考にしてしまったりする。『海辺のカフカ』が紹介されていたりもして、ちょっと嬉しくなったり。
これはもちろん効率的なプログラムの成せる技なのだよなと感心してしまう。世の中にたくさんある本の海の中から、自分が好きになりそうな本をお勧めしてくれるなんて。 これはたとえば、大きな書店のない地域に住んでいる読書好きの中高生にはたまらない機能なのかもしれないと思う。駅前に小さな本屋しかないような小さな町は、世の中にそれこそコカコーラの自動販売機くらいたくさんあるのだ。そういう町に住んでいる中高生は、普段は品揃えのあまりよくない本屋で同じ文庫本の背表紙を繰り返し見つめていたり、近くの(きっと小さな)図書館に行ったりするのだ。
そしてきっと、そういう中高生はたまに親が連れて行ってくれる近くの地方都市の地方百貨店の中にある書店を、パラダイスのように思ってうっとりとしてしまうのだ。何時間だってここにいることができる! と熱く宣言したりして。
ただし、地方都市にはそう頻繁に連れて行ってもらえるわけではない。 けれども、ネットさえあれば(ネットは少しずつどこにでもあるようになっている)、そんな中高生でも部屋にいながらにして、存在がわからないから気がつくことさえできなかった本を、たとえば東京や大阪で暮らしている同じような趣味をしている誰かが買った本を画面上で紹介されたりすることで、知ることができるようになるのだ。 そういうのってかなりすごい。
そういうことが、もしかしたらつぼみのまま枯れてしまった花のように閉じられてしまったいくつもの可能性のようなものを、押し開いていくのかもしれないのだ。ある種の日差しに、ある種の慈雨にさえなることができるのかもしれない。
ソリューションビジネスという言葉が独り歩きしている昨今だけれど、そういう無意識下の願望のようなものを叶える仕組みを創り上げることこそ、そういうことなのだと思う。ある種のギャップが生じている部分を、システムや仕組みによって改善していくこと。本が好きなのにきっと好きになることのできる本と出会える環境になくて、けれども心の底ではそんな本と出会いたいと思っている人に、この仕組みは(コストはかかるけれども)大きく貢献するだろう。
ビジネスなので利益は必要だし、それは悪いことじゃない。そして、そのやり方が、誰かに(何らかの形で)貢献することができるのであれば、それはやっぱりとてもよいことなのだろう。 そんなことを思った。
もちろん、まだ使いはじめたばかりなので、個人的な印象としてはかゆいところに手が届いていないような、セーターの上からかゆいところをかいているようなもどかしさがあるのも事実だ。けれども、利用し続けて、購入した作品を評価し続けていくことによって、マイページ(マイストア)のおすすめはより収斂されてくるのだと思うし、そうなったら面白いだろうなと想像してしまう。
けれども、一番面白かったのは、今日帰宅したときにポストに入っていた「ご不在連絡票」に、
「10月15日16時00分頃アマゾン様からのお荷物をお届けに参りましたが、ご不在のため、次のようにさせて頂きました。」
と書かれていたことだったりするのだけれど。 わかってはいても、「アマゾン様」ってところがおかしくて、「ご不在連絡票」を手に一人部屋でにやにやしてしまった。 「そんな知り合いいないって!」とか思って。「アマゾン様からの荷物って……ピラニア?」とかちゃかしてとぼけてみたり。それにしても、そんなことくらいで嬉しくなれてしまうのだから、まだまだ年相応の渋さのようなものは獲得できないらしいよ……
(その後、夜遅い便でもう一度届けにきて荷物は無事受け取ることができた)
まだ一度しか利用していないし、細かな点はきっとこれからおいおいと気がついていくのだろうけれど、ファースト・インプレッションはやっぱり便利だよなと、結構気に入ってしまったのだ。
もちろん、そんなふうに思い入れたっぷりじゃなくても、アマゾンのシステムは効率的かつ合理的だと思う。 そして、ジェフ・ベゾスが最初に本を選んだのも、正しい選択だったのだろうなとあらためて思った。
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お知らせ
同じ日の夜に、DVDも1枚注文していてそれも届いていました(それは別便で届いたのですが、受領印がいらないタイプの、ただ投函だけしてくれるタイプのものでした。うまくそういうサイズに収まるようにすれば、留守にすることを考えなくてもいいので便利)。
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