Sun Set Days
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2002年08月08日(木) 予告編

(暗闇の中の森を駆け抜ける素早い足音。しかも複数)


 ――ご隠居様ぁ、この町のうなぎは最高においしいらしいですよう。

 城下町に入るや否や、黄門様に向かって笑顔で話しかける八兵衛。


(暗闇の中の森で、手裏剣のぶつかり合う音。一人が追われていて、何人かが追いかけている)


 ――ご隠居様ぁ、もうこの大福、最高ですよねえ。

 お茶屋で美味しそうに大福にかぶりつく八兵衛。一気にふたつほおばっている。そしてむせて、一行に笑われている。


「うっ」
(森の中を逃げていた方が、手裏剣で肩を怪我する。そして、追っ手たちから逃げるために、自ら崖から眼下に広がる川へ飛び込む。逃げていた者の顔が月明かりに照らされて一瞬だけ映る。それは、女だった)


 ――ご隠居様ぁ、見てくださいよこの豪華な料理。この旅籠にして正解でしたねえ。

 箸でどれから食べようか悩みながら、魚の煮物に箸を伸ばす八兵衛。




 ――いつまでもずっと、この笑顔を見ていられると思っていた――




 ――けれども、もう彼はどこにもいない――





(画面に映っていた箸を持った八兵衛の映像がそのままセピア色になる)

(おなじみのテーマソングのバラードバージョンが流れ出す)

(タイトル、浮かび上がる)




 水戸黄門【劇場版】  ――さよなら八兵衛――




 8月下旬衝撃のロードショー。


 皆の者、ご老公の御前であるぞ、頭が高ーい、控えおろーう。


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○試写会では続々と感動の声!


 ――八兵衛の優しさに胸を打たれました。涙が止まりません。(19歳大学生)

 ――はかなく散った八兵衛と彼の恋。大人のラブストーリー。(32歳主婦)

 ――殺陣のシーンのCGに日本映画の可能性を感じます。(26歳会社員)

 ――お銀の入浴シーンはファンにはたまりません。(43歳自営業)

 ――黄門様心臓発作のシーンやぎっくり腰のシーンなど、ハラハラドキドキの連続!(17歳高校生)


○各誌絶賛の嵐!


 ――人間の尊厳とは何かと考えさせられる問題作。この夏一番の収穫。(T新聞)

 ――モラルとアンモラル、その狭間で生きるほかない人間の哀切を描いて切ない――。(A誌)

 ――失われた日本古来の風景を見事に再現。時代考証も完璧。(週刊「ご隠居」)

 ――おっちょこちょいで食い意地がはっているだけだと思っていたのに……もう彼のことを忘れられません。(F誌)


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 ……映画を観に行って、こんな予告編をやっていたら間違いなく観に行くと思う。


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 お知らせ

 先月発売された江國さんの絵本を書店で立ち読みしたのですが、ネットで調べたらその絵本についてのホームページもありました。

 http://www.hakusensha.co.jp/book_review/osanpo/com.html


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