Sun Set Days
DiaryINDEX|past|will
| 2002年06月09日(日) |
Radio:World Cup |
日本対ロシア戦はラジオで聴いていた。 今日は日帰り博多出張(うーん)だったので、朝部屋を出るときにビデオのGコード予約をとりあえずしてきたのだけれど、帰りの福岡空港20:45発の飛行機のアナウンスで、「サッカーファンのみなさまは、チャンネルを12番にお合わせ下さい。NHKのラジオ放送をお聴きになれます」というようなことを言われる。とたんに、僕も含めて周囲の数人が薄い白濁色のビニールをやぶって、あの変な聴診器みたいな形をしたイヤホンを取り出す。まさか飛行機に乗っている間に、リアルタイムで試合経過を聴くことができるとは思っていなかった。実のところ、諦めていたのだ。それで驚いて、一瞬映像じゃないことについて考えてしまったのだけれど、それよりもリアルタイムで知ることができる方がいいなと思った。 それで、ずっとラジオで試合を聴いていた。 ラジオのサッカー中継は、サッカー特有の素早い試合展開になったときに、実況がワンテンポ遅れてしまうのが特徴と言えば特徴で、それがもどかしかった。けれどもその一方で、そういうある種の「間」に期待を持たせるようなところがあって、間の後の歓声や絶叫に、思わずハラハラさせられてしまう。特に、ロシアの攻撃の実況の後、一瞬の間があくときにはそれはかなりのものだったわけだし。 あと、音だけのせいか会場の観客の歓声が随分と響いて感じられた。日本のチャンス時の応援、ピンチ時の悲鳴、そういうのが空気を揺らしているのだろうなということが、想像しなければならない分生々しく感じられた。 途中、何度か音が小さくなったりして、イヤホンを耳に強く押し当ててみたり、袖のところについているボリュームの+ボタンをとんとんと何度か押したりもした。 稲本の得点シーンでは、「おお!」と思った後、思わず周囲の席の人たちを見回してしまった。何人かは、やっぱり喜んでいる感じで、同じ時間を共有しているのだなと思ってみたり。 飛行機が着陸し、扉が開いたとき、ちょうどあと3分ほどのところで、一瞬迷ってから、飛行機から降りることにした。ロスタイムもあるだろうし、もしかしたら空港の画面で試合の最後を見ることができるかもしれないと思ったのだ。もちろん、飛行機を全員が降り終るまで待っていたら3分くらいは経ってしまって、最後の経過まで座席で聴くことはできたとは思うけれど、もしできることなら映像で最後のホイッスルの瞬間を見たいなと思ったのだ。それで、急いで出口へ向かい、やたらと人だかりができているところに向かった。絶対にそこにテレビがあるのだろうって、テレビ自体は人ごみに隠されてしまって見ることができなかったけれど、それでも、そう思ったし。普段じゃありえないくらいの人だかりだったのだ。 そこに着いて、20秒くらいだった。 ものすごい人で、テレビの画面が見えなくて、ただみんなが堰切る前の緊張感のようなものに包まれていて、僕は後ろの方から人波の合間からなんとか画面が見えないかなと左右に動いていた。 その刹那に、叫び声。 そのとき、そのテレビの前に何人くらいいたのかはわからないけれど、歓喜の声と、叫びと、拍手、そういう雑多なものが同時にその場にはじける。 空港内を歩いている人も思わず何が起こったのかを知ってしまうような瞬間。 日本が勝ったのだ。 気がつくと、僕も声こそ出さなくても思わず一緒になって手を叩いてしまっていた。 テレビの画面で、歴史的な勝利の瞬間は見ることができなかったけれど、周囲でものすごく喜びを爆発させている人たちを見ていると、それでもいいかなと思えた。 ただ、僕はすぐにその場を離れた。 僕は、普通に帰るのならば、羽田空港から京急で京急蒲田経由で横浜まで行ってから、JRに乗り換える。最寄の駅に着く前には、新横浜と小机駅を通ることになる。いまの、この瞬間の、まさに時間がどんぴしゃの、新横浜と小机駅だ。 そんなのは、蟻の巣の上に蜂蜜を落とすようなものだし、腹をすかせたライオンの群れの中にインパラを放すようなものだ。つまりまあ、とんでもないことになってしまう。 ということで、急いでリムジンバスの切符売り場に向かう。たまプラーザ行きのバスに乗りたかったのだ。最寄の駅には、東急線でも向かうことができるので、たまプラーザから東急で帰ることにしたのだ。 もちろん、今日のこの瞬間に新横浜を通り過ぎていくことにちょっと興味がないでもなかったけれど、実際のところ今朝から寒気がしているので、そんな弱っている状態では難しいだろうなと思ったし。 ということで、今日はたまプラーザ行きのリムジンバスの中でDaysを書いている。ちょうど、いまは横浜駅の横のバイパスを通り過ぎていこうとしているところ。CiALのネオンが左手に見えている。 でも本当によかったと思う。スタジアムにいた人も、テレビで見ていた人も、空港のテレビで見ていた人たちも、みんながずっと思い出に残る時間に、瞬間になったのだろうなと思う。
―――――――――
ここからは部屋から。 自分の部屋に帰ってきたのは23:45くらい(ちなみに、朝は4:30起きで5:24発の電車で出発)。 たまプラーザのホームで待っていた東急線の車両には、必ず1人は青いユニフォームの人がいておかしかった。 最寄り駅で降りてから、駅の外の柵のところからJR線のホームのを見ていた。ちょうど2分遅れで電車が入ってくるというアナウンスが聞こえたのだ。それで興味があって待っていた。 おもしろかった。 だって、青い車両だったのだ。 車両のほとんど8割くらいの人たちが青いユニフォーム姿。 はたからその電車を見たら、まるで貸切のような感じだった。 タクシー乗り場にいた人たちも、その電車を見て「すごいね」って笑っていた。 23時台後半の電車でもそうなのだから、前半だともっとすごいことになっていたのだろうなと思いつつ。
それにしても、本当にすごい。 明日はスポーツ新聞を買おう。
―――――――――
お知らせ
日帰り九州ははじめてでした。ふう。
|