創造と想像のマニア
日記というよりもコラムかも…

2005年06月24日(金) タイガー&ドラゴン、最終回。

めちゃくちゃ良かった。
こんな最終回は久しぶりだ。「新選組!」の最終回も好きですが、ハッピーエンドではない哀しい終わり方しかないので、幸せに終わるという最終回という意味では久しぶりに「最終回を見た」という気持ちになった。
小虎が出てくる日に迎えにきていたのはチビTだけ。ちょっとそれって冷たいんじゃないの? と思ったんだけれど、親分にも師匠にも理由があった…というか、親分は虎児はどんちゃんの元へとやった息子だからと遠慮し、どんちゃんは親分に戻した息子だからと遠慮していた。
この2人が和解するシーンが何よりもジンと来ました。2人ともが虎児を思い、大切な家族だと思っていたけれど、親分は自分の元から去っていった、自立したと思っていて、迎えに行かないどんちゃんを責めるけれど、それは「つまらないヤクザの揉め事に家族(小虎)を巻き込んだ。家族にはなれなかったんだ」と言い返す。
これがね。自分の事、世間体の事とかじゃなくて、ただただ虎の事が好きで、大切でかけがえのない家族だと2人が思っていたからなんだよね。
銀銀は二代目を継いで、変わってしまっていたのが淋しいと思ったのですが、それはそれで虎児の為なんですよね。自分をかばってくれたから、守ってくれたから。それは次の組長を思っての事だし、現在の自分の舎弟の為。銀銀は虎児にとって弟のようなものだったんだろうし、銀銀も虎児を兄だと思っていたに違いない。
以前に言われた「似合わねぇ事してんじゃねぇよ」の言葉を虎児に返す部分も好き。もう組長になっているのに、虎児の事を「アニキ」と呼んで話をした事も銀銀の思いが伝わって好きだ。
何もかもが好きで、竜二が虎児に会いに行った時の話も本当にそれまでの2人の立場と逆で、その頃の虎児の気持ちが今よく解ると話した事、刑務所で一生懸命落語の本を読んで勉強していた事、覚えた落語を披露していた事、勉強していたけれど、師匠たちがいないから、言葉の意味が解らないでいた事、本当に彼は落語と出会って、師匠と出会って人生が変わったんだよね。
それが綺麗に描かれていて、別のチャンネルのドラマで拡大版の最終回を放送している中、1時間でこれだけの最終回を見せた実力が凄いと感じた。
先週の話から3年経って、それぞれの生活が進化していた事、その中でも変わらないものがあった事、当たり前の事が淡々と描かれていて、淡々としているからこそ切なかったり、あたたかい気持ちになったりしました。
どの話から見ても面白いし、SPから順番に見ても面白い。
1粒で2度おいしいドラマだなぁ。
西田敏行さんが公式サイトのインタビューで言っていたけれど、いい雰囲気の現場の時って視聴率が良くないらしい。
うん、それは何となく解るような気がするし、本当にいい作品って視聴率が悪いような気がします。
「タイガー&ドラゴン」の視聴率を知りませんが、いい作品だからあまり視聴率は良くなかったのかも…最終回も拡大版ではなかったしね。
でもいいんだ。視聴率なんて。
TV局の人からしたら視聴率というのはとても大切なのかもしれませんが、見る側には全く関係ないものですからね。そりゃ、自分が好きな番組が人気あるというのは嬉しいけれど、好みの問題だし、視聴率の機械だって全部の家に設置されているものではないのだから、信用は出来ないし、興味もない(笑)
ただ「いい作品だから沢山の人に見て欲しい」という気持ちがそこにあるのだ。


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未森

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