朝、窓を開けるとよそよそしい空気が部屋に入ってくる。近所の庭に咲いている金木犀の香りが充満する。野良猫は丸くしゃがみこんで、空の青さも色あせてきた。太陽と一緒に私はパワーを失いつつある。茶色や黒よりも桃色や水色が好きだし、厚手より薄手の服の方が素敵だし、裸足でサンダルをキュッキュいわせるのが楽しいし、なんだかんだで私には夏が似合ってるみたいだ。朦朧としながら汗だくで昼寝できる季節は、もう一番遠くに行ってしまった。