もうすぐ長い冬があけるよ。春になったら一緒に山をおりようね。そう、約束したのにね。最後の一片の雪がとけるよりも早く、私はあなたの手のひらで小さく小さくしおれてしまった。雪山で尽きてしまったらそこから抜け出せなくなることは、あなたも知っているでしょう?毎年、冬になったら必ず逢いにきてね。萌える緑を眺め、黄色く色づき、やがて朽ち果てるのを願いながら、ただただあなたを待ちつづけているから。