ぐるぐるぐりぐり

2004年01月30日(金) 人体の不思議展

「人体の不思議展」に行ってきました。

会場に入るといきなり「死んだ人」が目の前に。
激しく後悔しました、来たこと。
会場内にはトイレはないので、気分が悪くなったらアウトです。
そのへん、よく自分を見きわめて見に行きましょう。

しばらく入り口付近で遠目に眺め、慣れてきたところで
見学開始。

とにかく、「遺体」がいっぱいです。
それも皮を剥かれて、中身が全部見えちゃってます。
もしくは思いっきりスライスされたり、縦に割られていたり。
なんなんだどうなってるんだこれ?と、くらくら。
そして「遺体」のポーズが、あまりにも変。
その時とったメモ↓



……変だよね。くらくらくら。

そして見ているうちに吐き気が収まり
冷静にふつーに見られるようになってくる自分も変かも。
牛の解体と似ているなぁ、人間も牛も脊椎動物だなぁとか
まっぷたつに割られた背中を見ながら思っていたり。

そして見に来ているお客さんも変。
なんだかわくわくうきうきしている。
会場が有楽町のせいか、平日のせいか
いい恰好した、マダムな人が結構いる。
そのうちのひとりがにこやかに解説員に聞いていた。
「ねぇ、赤ちゃんの死体ってどこにあるのかしら?」

そう、赤ん坊の遺体。
たくさんあるガラスケースの中で、人がいちばん集まっていたのが、そこ。
そしていちばんあたしが見る気持ちになれず
横目で見ただけでやめたのが、そこ。
3ヶ月の胎児から、生まれたてまで、いろんなサイズの赤ちゃんの遺体。

あと人が集まっていたのが、病気の内臓が入ったケース。
子宮ガンとか、肝硬変とか。
それから煙草の吸いすぎで真っ黒な肺、にも人がいっぱい。
自分にとって身近なもの、なのかな。実感しやすいというか。

会場内にいる白衣を着た解説員さんに、質問した方がいいです。
ここが腸、ここが卵巣……などといろいろ教えてもらって
わかりやすかったです。でもみんな「私は○○を手術しましてそれで」って
自分語りは迷惑だからやめようね、解説員さん困ってたよ。
あたしが話を聞いた解説員さんは説明時に
「このご遺体は」と言っていて、当たり前だけどなんかちょっと
ちくん、とした。おもしろがってちゃいけない、ここにあるのは「ご遺体」だ。

でも全体に「おもしろがってる」空気が会場全体にうずまいていて
なんだかなぁーと思った。
売店では「骸骨ボールペン」売っていたし。プリクラもあったし。
どうして自分の体をこうして差し出したのか、わからないけれど
(刑務所から受刑者の遺体を買ったのでは、という報道もあった)
全部人間なんだよねえ。で、死んでしまった後でも、人間で。
生きていなくても、体はその人本人のものだ、他の誰の物でもない、と思ったよ。
というより「物」じゃない、絶対、物じゃない。

最後に「さわれる遺体」があったんだけど、それをぺちぺちひっぱたきながら
「きゃー、こわぁぁぁいっ☆」と言っていた若い女、ああいうのが
展示されたほうが(以下自粛)。

いちばん印象に残ったのは「耳の骨」人体でいちばん小さな骨。
小さくて白くてきれいで、ああこんなきれいなものが
体の中にひっそりとあるのだと思ったら、うれしくなった。

2月1日までやってます。でも「見に行くといいよ!」とは
言い切れない。見に行って後悔もしていないけど。難しいところです。




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