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2005年03月05日(土) |
Factory54(樺地・跡部) |
雪 俺の声はたちのぼる白い息とともに夜空に吸い込まれる。 雪? 隣を歩く人が言葉を返す。 耳がきんきんと締め付けられるように冷え、周囲に走る音ごと大気が凍りつくような静けさで満ちる。そんな感じがすると、決まって雪が降る。だから。 答えようとしてその人へ顔を向けると、さっきより距離が近い。歩道と車道を区切るブロックにのぼって歩いているからだ。 コートのポケットに両手を入れ、うつむいている人に手を差し出すと、おしのけるように軽く叩かれる お前、手が冷たいから あぁそうか、嫌なんだなと引っ込めようとしたのに、ぎゅっと掴まれる。 あの人が黙り込むから、俺も何も言わない。
ブロックが途切れるまでの間、その人に暖められた。
原稿前のリハビリ期間中
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