日々、ポケットへつめこんでおいたこと。
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2005年03月31日(木) トニー滝谷

あぁー残業ミーティング。

やだなー。

今日、木曜日、映画千円の日だよ。「トニー滝谷」観に行きたいんだけどなぁ。

と、朝からうだうだ、新聞めくると、映画欄に発見してしまいました。
“シネマテーク本日19時、イッセー尾形来場”

わーーーーーーっっっ☆☆☆☆☆!!!!!!!

夕方。
ごめんなさい、今日残れなくなりました!と言い残し、ダッシュで職場を去りました。
支店長の話より、イッセー尾形のが大事だったんだもの。だめ?
支店長の話は、あとで誰かが教えてくれるし。だめ?

でももう飛び出してきちゃったもんね。

イッセー尾形、10年ほど前、ソリトン(今のトップランナーのような番組)で知ってからというもの、大好きで。
一度生の舞台を観たいと思っているのですが、毎回どんなにがんばってもチケットが取れず、いつのまにかあきらめてしまっていました。

だから今日は、こんなチャンス逃してなるものか!と、とっさに思ったわけです。

本物のイッセーさんは、思っていたよりもがっちりと、大きなひとでした。
この映画について、20分ほどもお話して下さりました。
やさしい話しかた。ちょっと学校の先生みたいでした。
はぁーすてき。だいたい顔から好きだもんね。

市川監督はこの映画を、エドワードホッパーというひとの絵画のような世界観で描きたいとおっしゃってられたということ。イッセー氏も、エドワードホッパーが好きで、何か感じるものがあるということ。演技を抑えて抑えてやったこと、すぐやりすぎてしまうこと(この映画に関しては)、すごく余白を多くとって描いているから、観るひとによっても、観る時によっても、感じ方や捉え方も違うだろうから、みなさんの想像力で、たのしんでいただければ、というようなことをお話して頂いたかと思います。わたしの覚えている限りでは。市川監督のものまねとか入りつつ。

そうして映画を観たわけです。
宮沢りえがきれいなのはもっちろんだけど、こんなイッセーさんの表情は観たことなかった。
村上春樹も読んだことないし、さっき言ってたエドワードホッパーも知らないから、まったくどんななのかわからないなぁと思っていたのだけれど、とても静かで、深い底のような、淡い光のような。でもどんな場面も、トニーのいたみがずーっと消えなかった。

わたしはとても静かな気持ちで観ていたけれど、だんだんじわじわ胸がいたくなって、いちばん最後の、トニーが受話器を置いたとこで、ボタボタと涙が出た。

涙はすぐにおさまったけど、なんとも余韻の深い映画です。めずらしくパンフレットまで買ってしまいました。
じわじわとなかなか消えない熱の秘密も、もう少し知りたいなぁと、小説まで買ってしまいました。

イッセーさんも宮沢りえもすごくよかったなぁ。
完璧だった。
今日行ってよかった。


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