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2004年10月13日(水) 女性差別の社会至上主義 「名誉の殺人」

昨年位だろうか。

一人の女性がフランスへ秘密裏に亡命する事に成功し、その裏には人権保護団体の苦労が有った事を知った。

その渦中の人物が先日、日本に来日し、この女性の半生を語る自伝書と呼ぶには余りにも悲惨な社会主義、宗教至上主義の現実を露にした一冊の本「名誉の殺人」がこのたび日本でも出版された。

それは今尚普通に一般慣習として残されている中東アジア〜南アジア諸国のアラブ系ユダヤ人に残る恐ろしい慣習を巷に口外する事になる重要な証言本だった。

以前からこのような社会的に問題化するアジアに広まるイスラムを含めた、宗教至上主義の怖い一面は表沙汰にされていたが

この女性の場合は、体現を以ってこの現実を訴えるべく顔を仮面で覆い、今尚、追われる身としてその姿を隠している。

この女性が生まれた南アジアの片田舎には、恐ろしい慣習が残っており、つまり

婚約や許婚を得てしていても、男性との婚前交渉が在ってはならないと言う

超超社会主義な現実だった。

それは「不浄な行為」として近隣や世の中に対して、辱めを受けると言う

何とも不可解な定石としてこの地に強く根付いていると言うのだ。

つまりそれは「名誉の殺人」と呼ばれ、年間数千人もの女性が肉親の手により、当たり前に葬り去られている。

この女性は婚約をしていた男性との激しい恋に落ち、やがて妊娠してしまった。

この地方では目を異性と併せるだけでも叱責、罵倒、虐待が待っている。

それも肉親、身内による行動である。

この女性は身体に虐待を受けながら妊娠5ヵ月を過ぎた頃、自宅にいる所、頭から冷やかな液体を家族にかけられた。

その数秒後、彼女の顔、身体は火に覆われ、瀕死の状態となった。

やがて病院に運ばれ治療を受けていると、母親が訪ねてきた。

母親は毒を持ってやってきた。

「我が家の名誉を汚す事は許されず、弟の名誉の為にも毒を飲んで死んでくれ」

そう言い始めたらしい。

これは医師の手により発見され、事なきを得た。

やがて彼女は人権保護団体の目にとまり、海外へ脱出させる事になった。

彼女は海外(フランス)に亡命した今も尚、家族からの追われる立場なまま顔を覆いながらに生き長らえている。

今は当時の子供(現在20代)とは別に生活をし、当地にご主人と新たに恵まれた子供と共に極々普通に与えられる我々と同じ自然を

幸せに感じながら生活を送っていると言う。

つくづく彼女のような環境に生まれて来なかった事を感謝すると共に

今尚続く、風向きだけを意識した超社会主義的思想から放たれない、この様な国や地域が有ると言う事を

きちんと認識しなければならない。

彼女の火傷は今も尚20数回に及ぶ手術でも、まだ痛々しさが残る。

その身体こそが生地獄を現す唯一の証となる。

この様な社会が自分の生きている世界とは別の場所に確実に存在すると言う事実、

そして自分がいかに小さな事に気を奪われ、やるせない葛藤と共に胃を痛めるような事になっているか

改めて知らしめられる。

日本は平和主義国家では有るが、和平を守る手段を持たない。

戦後の日本人に根付いた心の平和は、当り前に慣れた慢性和平体質。

そこから生まれる文化病や文化思想が日本人を病ませて行く。

隣国韓国では有る「徴兵」も、日本では無い。

戦争を放棄した日本に自国を守る術が無ければ心の慢性和平は突き進むばかりだ。

別に徴兵を進言する事も無ければ戦争肯定もしないが

今の日本人に飢餓心が少ない事は大きな事実。

そこから溢れ出るつまらない闘争や争論。

つくづく日本を平和と感じる瞬間だった。

改めこのニュースに対する重要性を感じた。










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