４〜５年前に店が雑誌『VERY』に掲載された事があった。

雑誌の反響と言うのはものすごく

全国各地方々から問い合わせが殺到した。

当時のおれはまだ知られて居ないメーカーや小さな力の有るブランドを探すのが好きで

そう言う方面の開拓には自分がとても発揮出来た。

その頃は大体おれが発掘した会社が後々有名になったり

その後よその店でやり始めたりと言う事も少なく無かった。

ある日VERYの取材の後、おれは一つ大きくなれそうなブランド（当時は有限会社だったが）の社長さんと会話中

その会社をVERYに紹介しようと言う話しになり

おれから直接VERY編集担当者に電話をした。

まだ知られて居ないブランドだったので、VERYにとっても他に先駆けての

新ブランドは美味しい物なので、取材に応じてくれた。

次第にそのメーカーは雑誌に載るようになった。

元々低頭なメーカーも次第に態度を変え、アリがちな企業に変わって行った。

雑誌VERYから姉妹雑誌に飛び火し、今や知らない人の少ないブランドへと成長した。

おれはこんな結果が結構多い。

以前フランチャイズを請け負っていたブランドもそうだった。

育つまでおれも運命共同体として頑張った。

従業員の給与が捻出出来ず、借り入れをしてまでそのメーカーの為に頑張った。

やがて、おれからのノウハウを元に、小さかったその会社も

次第におれの店から、優秀な従業員を引き抜いたり、

おれに強制的な圧力をかけ始めるなどの行動が目立つようになってきた。

３６になる今もなお人を根底から信用しないのは

ずっと直りそうにない。

生まれた環境も、裏切りも、色んな事がおれを大きくしてくれたと思っているが

切ない程に無碍さを感じずには居られない。

前出の企業はいま、ﾕﾅｲﾃｯﾄﾞｱﾛｰｽﾞなど有名大型セレクトショップを始め、海外の展示会に於いても

いい意味のジャパネスクと貫き通し、フランスなどでいい評価を高めている。

toto