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- 諸行無常 -

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2003年07月20日(日) 根性の話 その2

おれは剣道をやっていた。

個人戦はさほど出た事が無かったが、団体戦では次峰で出る事が多かった。

次峰と言うのは5人で闘う団体戦の2番目の意味で、先峰、次峰、中堅、副将、大将と続く。

剣道の場合柔道とは違い勝ち抜きでは無いので、団体戦は当世同志が当る為、次峰は常に次峰としかあたらない。

団体戦に出るようになっていつも当たる相手がいた。

○○高校の次峰で彼は俺より身長差で5cmほど大きなだけだが、上段を使い

常勝連中の仲間入りをしていた。

なぜかこの高校と練習試合も本試合も当たる事が多く、おれは結構この人とやる事が多かった。

おれは中段で基本。

彼は非常に上手く使え上から撫で下ろす様に一太刀で俺に面を食らわせる。

結果3年間、彼に一度も勝つ事は無かった。

それでも最期の試合では一矢報い、彼に一太刀入れた。

剣道は2本先取で勝ちが決まる。

俺は当時かなり悔しかった。

周りに解かる様に練習すると言うのが出来なかった。

恥しかったのだ。

そして卒業前の最期の試合、団体戦。

相手の次峰は体格も良く上手そうに見えた。

開始5秒。

俺は防具越しに目の動きを取られぬ様、相手の目を見たまま相手の出鼻に

小手を当てた。

『一本!』

3人の審判が全員俺に旗を上げていた。

見事な出鼻小手が決まった、そしてまだ開始後5秒だった。

そして2本目が始まった。

2本目開始後30秒。

今度は面に行くフェイントを絡め小手に。

『1本!! 勝負有り!!』

これも見事に決まった。

感動で身ぶるいがする試合だった。

おれの卒業前の最期の試合は総時間35秒で終わった。

今までの鬱憤を晴らすかの様な試合運びに自分で自分に酔った。

暑く蝉の声の木魂する試合会場での高校生活のほんの一ページだった。

今日も同じ位暑い。

当時をふと思いだして書いて見た。

いよいよ夏到来かな。。。



toto