speak like a...child

 

 

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FedEx - 2003年11月29日(土)

夕方出勤ですぐに帰るわけにはいかず、だからといって帰宅するまで
我慢できるわけもなく、人目を忍んで開封した。怪しまれないように
堂々と作業したつもりだったが、内心は衆目よりも小包の正体への
ドキドキで一杯だった。幼子が抱くそれによく似ていた。

梱包は慎重に、極めて慎重に解いた。箱いっぱいに封じ込められた
異国の空気と貴方の気持ち、それを僅かたりとも逃がしたくはなかった。

その正体の大部分については割愛する。それは僕と貴方だけの秘密。

ただ、随所に鏤められた細やかな気遣いが嬉しかった。マップがあれば
貴方の歩いた道を辿ることができるし、次のプランを練ることだってできる。
軽食に立ち寄ったお店のコースターは貴方の歩く通りの雰囲気を匂わせた。

“ADMITS ONE Student”と記されたチケット。労せず、並ばず、心ゆくまで
鑑賞できるという美術館で、その傍らに僕の影を置いてくれたのだろうか。

そして何より嬉しかったのは貴方の筆跡。
何物にも代え難い一番の宝物。


ありがとう。

ありがとう。


何度繰り返しても伝えきれないから、

だから早く、

早く帰ってきて欲しい。



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