Surprising Game - 2003年11月28日(金) 前日、と言ってもすでに日付けは変わり、明け方の4時をまわっていたが、 そんな時間になるまで同期と研究室に残っていたせいでこの日の起床は 午後2時を少し過ぎたくらいだった。寝ながら潰してた右の耳が痛かった。 いつものようにシャワーを浴びて、朝食(?)を買い、研究室へ向かう。 雨は降っていなかったが、雲が重く覆い被さり、辺りは実に薄暗かった。 ― ガチャ わずかに開いたドアの隙間から立ち込めた空気があふれ出す。 壊れ気味のエアコンが唸っている。相変わらず加湿器に水はない。 入り口近くにいた男が口を開く。確かこの時間はゼミだったはずだ。 「遅えんだよ。」 は? ゼミは? 「まだボスがいなくて。それよりさ、」 あれ? 何? この小包。 「知るかよ。来たら置いてあったよ。」 「てゆーか、こっちが聞きてぇよ。」 いやいやいや。オレも知らねぇよ。 「いいから早く開けろって。」 「そうそう、開けろって。」 いいからまず飯を食わせろ。 さっき起きたばっかなんだから。 「オマエの空腹なんざ知ったこっちゃねぇよ。」 「オレらは中身が気になってしょうがねぇんだよ。」 うん、オレも気になるね。 「だろ?」 でもまず飯。ハラヘッタ。 「だからさ、」 ― ゼミやるってー。 はい、行ってらっしゃいー。 「あー、もう。」 「ゼミ中に開けたら承知しねぇゾ。」 ふふん♪ ― バタン 閉じたドアが喧騒に蓋をするや否や、改めて小包を手に取った。 差出人は知っている。咄嗟に素っ気無い素振りをしてみせたのは こんなに早く届くと思っていなかったのと箱の大きさに驚いたためだ。 本当ならば人目も憚らず飛びつきたくなるほど嬉しい贈り物だ。
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