銃爪 - 2002年07月03日(水) 「ねえ、アタシ他の男の人と飲みに行ってもいい?」 「んん、行ってくれば?」 彼女との会話で何より強く記憶に残っている。 おそらくこれが最後の分岐点だった。 そっけない僕の返事に君はひどく悲しい顔をした。 僕の心がもう自分から離れてしまったと邪推し、 あえてそう答えた僕の真意を計ろうとしなかった。 一方で僕はと言えば、その過ちを正そうともせず、 ただ壊れゆく関係を眺めるしかなかった。 そう考えると、心はすでに離れていたのかもしれない。 継続を望むならば、それなりの努力が必要だったはず。 それを怠った僕には明らかに非がある。 お互いに不器用だったと思う。 身勝手で独り善がりで、 悲しい恋だった。
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