Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2004年02月14日(土) 『ユーリンタウン』&『Song&Dance』

『ユーリンタウン』…宮本亜門演出の異色ミュージカル。そして、失敗ミュージカル。
そのまま訳せば『便所の町』。…これだけで済ませてしまうと身も蓋もない。
でも、内容はといえば『近未来、水が枯渇しトイレさえも制限され、有料トイレに四苦八苦している状況を是正しようと町の人たちが立ち上がる』…ってなもので、設定は随分シュールなもの。しかし、それをあっけらかんと笑い飛ばす話なので、そんなに嫌味でもないんですが…そう何度も観たいものではないというか、一度見れば充分。

トニー賞の授賞式で観たときには面白そうな印象だったから、観たくて観たくてあちこちのアンケートに「『ユーリンタウン』が観たい」と書きまくってたけど!実現してくれて嬉しいけど!やはり、実際に観てみると多々、粗が見えてしまってもっと練ってくれなきゃお客さんはこんなのには納得しないです!

セットは鳥篭のような…黄色の檻が出てきて、すごく興味深い。それが巧く使われているので場面転換も非常にわかりやすく、観ていて楽しい。音楽も覚えやすいし、聴いていて楽しい曲が散りばめられている。
そして、キャラクター重視でキャスティングするのはわかる…というか、こういうパンチの利いた作品はキャラクターで魅せるしかない部分もあると思う。

しかし、制作サイドがこうやって観客を馬鹿にしている以上、日本のミュージカルのレベルは上がらない。チケットを売りたいならもうちょっと営利以外のロマンも考えて欲しいよ。

『ユーリンタウン』で風刺されている出来事は遠い未来のことじゃない。もしかしたら、明日にでもそうなってしまう可能性があるからこそ、世界で最も水を大切にしない日本でこのミュージカルを上演することに意味があると思っていた。
でも、これじゃ…何の意味もない。警鐘にすらならない…なってない。
亜門さんが演出しててなんでこんななんですか?どこの嘴に逆らえなかったんですか?
歌えない踊れない芝居ができない可愛いだけの有名なタレントよりも無名でいいから歌えて踊れて芝居のできる役者さんにやってもらってくれ〜!!
これだったら、セカンドキャストでいいから来日してくれた方が嬉しかった。
まあ、キャストを見たときから『失敗』とは思ってましたが、案の定…(^^;

で、それでなんで観に行ってんだって言えば、発売日からかなり過ぎてたのにも関わらず3列目の席を見つけてしまったから。センターブロックじゃないけど、通路脇だしいいかと思って。そして、事前情報で察知した『トイレットペーパーが欲しかったから〜!』(爆笑)
そのためだけに行ってきました。(^m^)まあ、キャストは失敗だとしても『キャンディード』が結構面白かったから、亜門さんがなんとかしてくれると思ったのが半分。日生劇場だからつまんなかったら途中で出て帝国ホテルで寛ぎのひとときを過ごそうとか思ったのが半分。
とりあえず、最後までは見てましたが。観てる…じゃないかも。

兎にも角にも『南原清隆、最初で最後のミュージカル出演』…になることを希望。
キャラクターだけで選んだのがありありとわかるキャスト。確かに、キャラ的にはいい味出してる!あの表情とかは面白いし、語りもわかりやすい。それらのものはコメディアンでしか出せない味わいのものだ。コメディアンの中でも好きな方だといえる。でも、これが最後であって欲しい。別に、化粧塗りまくってるのに尚、顔がぼこぼこだとか、下手だからっていう辛口の理由じゃない。

…歌ってないから!!

生であるべきミュージカルでテープ流してたとかまでは言わないけど(ソロで歌っててもたった3列目まですら肉声が聞こえてこないから疑惑は持っているが)、1幕の出演者が舞台から降りてきて客席後方へと消えていく場面で、ほんの何十センチ先かを通ってゆくから歌ってるかどうかなんてのは良くわかる場所に居たから言える…南原歌ってません!
口パクで私の隣を通り過ぎてゆきました。他の人はちゃんと歌ってたし、2幕のときはちゃんと歌っていただけになんかこの態度がムカツク。
1幕から飛ばすと持たないから温存してるんですか?サボリですか?
客席に降りてくる時くらいはちゃんと歌おうよ…たとえ、下手でもいい。(<いや、金とって見せる以上はホントはよくないけど)ちゃんと一生懸命に演じようとしている姿勢をこそ、評価する。
実力がないからテープでもいいとか、他の人が歌ってるから口パクでもいいなんて思ってる人間には舞台に立って欲しくない。
こういう時こそ叫ぶべきではないのだろうか『チケット代返せー!』…と。
嗚呼、つまんない舞台だったらお金返しますっていう制度があれば…と思った1本でした。
せめて半額返してくれると、帰りのお弁当が豪華になるのにな…。<結構、本気

ストーリーテラーには憤慨してますが、まだいつも一生懸命だったハムの人…別所さんのがよかった。普段の服を着た状態じゃよくわからなかったけど、かなり鍛えた身体でした。あまり見えないところで努力してるんですね。ま、そんなところがよかったわけじゃなく…結構、ノリノリ(死語)で他の人たちとちゃんとアイコンタクトしながら頑張っていたところがよかったです。あまり巧いとも思わないし、積極的に観に行こうと思う人ではないけど、こういう姿勢は好感が持てる。こういう風な人がいると、失敗作でも損をした気分のまま劇場を出なくてすむから。
しかし、名前よりもつい『ハムの人』といってしまう…あのCMの威力はすごい。(^^;

あとは脇の人たちのが面白かった。安崎さん、高谷さんは…そこに居るだけでも面白い。はっきり言って可笑しい。この方達のキャラクターは本当にコメディ向き。
そのインパクトだけじゃなく器用に動けるからこそ、アクの強いキャラクターがさらに生きてくる。高谷さんはすごく好きなキャラクターだけど、普段はあの方を基準にしてチケットを取ってるのでなかなかお会いできないから…今回観れてよかった。
しかし、裏を返せばそれくらいしか美点はないということでもあった。

マルシア…相変わらず、日本語の発音がおかしい箇所がある。でも、今回はこういう作品なので、それも持ち味のひとつとして楽しめた。
そしてこの役を見て思う…『ファンティーヌよりもマダム・テナルディエ!』やはり、どうしたってマルシアの持ち味である強かさが隠せないからファンティーヌよりも強引なおばちゃんをやった方がいい!
そうしたら、取ってつけたような母親面が嘘臭いとか、言わないよ(笑)。

また、がつがつと欲張って夜も観てきました。
1泊2日で3本…もうすでにこれが基本形なのか…。(>_<;;;

『Song&Dance3』…さすがにあまり間をおいた気がしない3作目ともなるとちょっとだれてきている印象がある。昔は…観たいってリクエストしても全然やってくれなかったくせにさ。またしても積極的にチケットを取らなかった為に高いだけの観難い席より、納得価格のバルコニー席を選ぶ。気合を入れてチケットを取らないあたり、観る方もだれてきている(苦笑)。しかし、バルコニー席は前に身を乗り出していても後の席の人からクレームがつかない上にすごくリラックスして観れるので結構好き。ただし…やはり、ずっと前屈みでいるのは疲れるので、もう少し足もリラックスできるように座席の前をもうちょっと広くして欲しかったというのはある。
今度、劇場を作る時はこういうことも考慮して作ってくれないだろうか。

ま、それはいいとして…『だれてる』といいながら、いろいろなミュージカルの美味しいとこ取りしてるこの演目は楽しい。イマイチ…なんて言いながらもそこかしこで楽しめる。
『美女と野獣』なんて音が鳴り出した途端に身体がリズムを刻んでいた(笑)。『壁抜け男』も久しぶりに聴くといい感じ。
むしろ、内容に面白さを見出せなかった場合はこういう作品よりもいつものミュージカルの方がツライかもしれない。

前回よりも人数が増えてダンスシーンはパワーアップ。しかし、個々のレベルとなるとばらつきが見られ、もっと精進してほしい人がちらほら。途上の人がレベルアップを図るにはいい環境に居るといえなくもないけど、観ている方はどうにも違和感が付き纏う。これくらいなら人数が少ないままの少数精鋭のほうがよかった気もする。それから、前作の方がまるで一つのストーリーのようにすっと入ってきたのに対し、今回のはそれぞれの曲は主張するけど、全体の流れとしてはあまりつながっていない感じがした。どちらが成功していて、どちらが観ていて楽しいかは言わずもがなのことだろう。決してあれこれ観て眼が肥えてきたから粗が見えるわけではないと思う。何があったかは知らないけど、個性を消してしまうほど軍隊のごとく統制するなら、ダンシングマシーンであることをもっと徹底してほしい。

さて、井上さん…しばらく観てなかった気がしますが、その間に随分印象が変わられてしまいました。以前は可愛い感じの印象だったのが、凛とした感じに。嗚呼、年月の流れがここに…。(;_;)

キム・スンラさん…初めて観たのが『美女と野獣』のお金次第でなんでもするお医者さんだったので、中身も(笑)もっと老けた人なのかと思ったら…意外に若い。<失礼(^^;
もしかしたら初めて生 (笑) の顔を見たかもしれない。

加藤さん…このカンパニーに居たんですね。前回のときに加藤さんを観たくてチケットを取ったのに、怪我とかで観れなかったから今回も必ず観れるとは限らないと思ってバルコニーにしたのに…そういう時に限って出演か…。(;_;)
しかし、加藤さんも昔ほどにはばりばりと踊ってくれません。やはり、ここにも年月の流れが…(^^;

あまり変わってなかったのは早水さんくらい…?
もう後は世代交代(笑)してて初めての方…もしくはそれに近い方が多かった。
しかし、その中でも目を引く人は1〜2人。ただ、その人たちが3年先にも四季にいるかどうかは謎だけど。
最近の四季はそこそこできる人はさっさと辞めてっちゃって圧倒的な定番の人たち以外は目が行く人が少なくなってきてレベルが物足りないくらいにまで下がってきてますね。脇でも巧い人はいるけど、巧いだけで+αに欠ける。だから、巧いのはわかってもずっと目で追いつづける程ではない。劇団という形態でやるには大きくなりすぎちゃってこれ以上を望むのは無理なのかしら…?


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