Stage Diary
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Yoshimi.Aが観た舞台の感想です。
レポートではなく感想だけを載せてたりすることが多いかも…。(^-^;


2004年02月04日(水) 『妖怪狂言』

2度目の妖怪狂言…ただし、初めての名古屋公演。
愛知芸術劇場コンサートホールでの公演だったのですが、劇場を聞いてからいや〜な予感はしてました。
コンサートホールってことはより音が響くように設計されてるはずで…
バブリーに巨額を投じて作られたハードなので、クラシックのコンサートなどではそりゃ、綺麗に音が伸びると思うのですが、こういうところで狂言とか芝居をやった場合、謡いや歌などは結構、綺麗に音が伸びるだろうけど…話は聞き取りにくいだろうなぁ…と思ってました。
そして、行ってみて…案の定、妙な反響をして聞き取りづらい部分も…。(T^T)
こういう時だけ吸収しちゃうように臨機応変に変えられる設計だといいのにね。
こういう公演をやるにはここは向いてないと思います。名古屋能楽堂があるせいなのか…そもそも、こういう公演は想定されてないだろう…っていう造り。
…まだ、中日劇場のがマシだったかな。
8列目だからまだ観にくくはないんだけど、ちょいと端なのが…舞台の高さがさしてないのが…なんだか…。(^^;
ただ、決定的に致命的な点を上げるなら『座席がしょぼい!』。
座り心地がよくない。安っぽい。
明らかに、座席代の何割かがリベートに消えたと思います。

それはさておき、今回の演目は古典の『梟』、妖怪狂言『狐狗狸噺』、『豆腐小僧』の3本でした。

狂言は何回か観たけど、やはり…大蔵流のが思い切り笑えます。
特に茂山さん家は可笑しい。(^^)
大体、プログラムに手拭いがつくならまだしも…今回60分のCD付。
しかも、(まだ聴いてないんですが)ざっと内容を見ただけでも…『語る』とかね。
狂言で使ってる謡とかを収録するならまだしも、『語る』!
何かが違う気がすると思うのは…気のせいだろうか。

最初は逸平の口上…っていいのか…ご挨拶?…で京極さんの宣伝とかして、京都だから綿矢りささんのこともちょっとだけ触れて、逸平…自分の写真集の宣伝もして、その後『梟』が始まりました。
一言いうなら…逸平、あまり話は上手くないですね。
名古屋で何かいやな思いでもしたことがあるのでしょうか?
お客さんに笑えと強要しなくても、可笑しければ笑います。
笑いが少なければ…未熟な舞台だと思って、今後よりいっそう精進してください。
…芸どころ名古屋とは、そういうものなのです。
収穫といえば…千ノ丞さんのお歳がわかったこと?(笑)

さて、『梟』です。
親…千ノ丞さん、子…千三郎さん、法印…千五郎さん
このキャストを見ただけでも…笑ってしまいました。(^^;
でも、千ノ丞さんが祈祷されてる途中で顔を赤くしてたんですが…頭まで赤かったですよ!(笑)<笑っちゃいけないところかもしれないけど(^^;
…今回、あまりいいお席じゃないと思ってたんですが、思い切り堪能しました。(-人-)
で、妖怪狂言のチラシには『親と子』じゃなくて『兄と弟』って書かれてたんですが…勿論、間違いでいいんですよね?ミスプリントだって突っ込んでいいんですよね?

ざっとあらすじは山から帰ってきた親の様子がおかしいんで、法印…拝み屋?に治してもらおうとします。すると、どうやら梟が憑いてるようです。
祈祷をするのですが、治るどころか子にまで伝染り、最後には…法印自身も梟の真似をしながら去ってゆきます。

千ノ丞さんのキャラクターはやはり、可笑しい。
何もせずにそこに居るだけで笑ってしまう。
でも、声の出し方ひとつ、仕種ひとつ…並々ならぬものを感じます。
特に、孫世代と同じ舞台に立つからその差がありあり…。(^^;
千作さんといい、千ノ丞さんといい…茂山のお家は妖怪がいっぱいです。
そして、付け加えるなら千三郎さんと千五郎さんの掛け合いが素晴らしかった。
やはり、『間』かなぁ。間の取りかたが巧い舞台の方がやはり、観ていて楽しめるものなのです。

で、次の『弧狗狸噺』は…無職で無宿の男が嫁入り行列からはぐれた嫁(長者の娘らしい)と出会います。そこへ山犬(狗)が現れ、ふたりを食べようとするのですが、旅の僧に救われ、お礼に寺再建のために寄付をします。でも、それは実は狸で、狸に化かされた二人は何度も寄付をして、しまいには文無しに…。一度は退散した山犬が戻ってきて狸と揉めるが、娘が寄付した金は木の葉で、長者の娘は実は狐でした。…化かしてるはずが、実は化かされ、獣が獣を化かす…ざっと、説明するとそんな感じ。
やはり、筋立ては面白いと思うのだけどイマイチ。
人が人を化かす時代だから、ケモノがケモノを化かす世の中でも不思議はない…その一言が噺のすべてを物語ってます。
太郎冠者…逸平、狐…茂、狗…あきらさん、狸…丸石さんのキャストは前回観た時と何ら変わってませんでした。そして、舞台の出来も何ら変わっていませんでした。
…これって、実力の安定した舞台といえるのかもしれないけど、言い換えれば『進歩のない舞台』でもある。
尻尾巻いて逃げる山犬は面白いけど。
特に茂君…『女狐』という割には色気がないよ。(^^;
それ以前に発声…声の抑揚もイマイチだし。爺ちゃんたちは妖怪の域なので、それと比べられるとつらいだろうけど…これからも頑張れ!

そして、これもツッコミを入れるならプログラムのキャストのところが山犬…ではなく『山伏』になってました…山伏が出るのは前の『梟』!(笑)
…誰が校正したんだろうなぁ〜。(^^)

そして、15分の休憩を挟んだ後はお待ちかねの『豆腐小僧』。(*^^*)
臆病な妖怪の豆腐小僧は破れかけた笠と手に持った豆腐がトレードマークの妖怪です。
妖怪のくせに人間を驚かせたことがなく、一度でいいから驚かせてみたいと思って、太郎冠者にそそのかされるまま、太郎冠者の主と次郎冠者を怖がらせようとします。
だが、主は怖がるどころか豆腐小僧の豆腐を食べたいと言い出すし、その時、雨が降ってきたので、太郎冠者は豆腐小僧の被っている笠を主に渡してしまう。
そして、豆腐さえも取られると、それを持った主は豆腐小僧となり、どこかへ去ってしまいます。豆腐小僧は…豆腐小僧ではなくなり、太郎冠者、次郎冠者の主となりました。

豆腐小僧…千ノ丞さん、大名…千五郎さん、太郎冠者…千三郎さん、次郎冠者…茂。
「千ノ丞さんが豆腐小僧をやってる内に観て〜〜〜っ!」と、叫びたいほど好き。
実際、何人かにはそう言って薦めた(笑)。
これは狂言的にみても、もの凄く秀逸です。…茂山さんところだからできたことなんだと思うけどさ。
いや、でも…これはぜひ観ないと後悔する1本です。
豆腐小僧のキャラクターに千ノ丞さんがすごく似合ってる!
豆腐小僧と名乗った時に『何で、じい様なのに小僧と名乗る!?』って思ったのを見透かしたかのように『爺なのになんで小僧って言うんだとお思いでしょうが…』ってなことをいうんですよ。(細部は違います)ものすごく絶妙のタイミングで。
もう、ここのところで笑いが大きい。
そして、千ノ丞さん…爺様なのに、まつげが長くて瞬きをしている時『ぱちぱち』と音がしそうでした。それすらも笑えました。
そのほか、大名の言葉に怯えたり…爺さんでもなんでも愛らしい仕種というのはあるものなのだな、と思います。
「千ノ丞さんがやってる内に観ないと…絶対、損な舞台です!」と、言い切れるだけのものはある。<80歳だから…もしかしたらあと数年?(;_;)千作さんの出演も少なくなってきましたしねぇ〜。

…というわけで、ここを読んだ方で『妖怪狂言』を観れる機会のある方は今すぐチケットを取ってください。観に行ってください。

そして、演目が終わった後で出てきたとき…跳んだり、去り際には投げキッスしてました。
…いや、それが嬉しいかどうかはともかく、何ておちゃめな!
最後まで目一杯、楽しかったです。

それから、プログラムや妖怪狂言脚本を買った方は終演後のサイン会に参加できたのですが…サインをしてくれるのは逸平と茂。
「千ノ丞さんのなら…」とか「せめて千三郎さんなら…」とか言ってた私達(友達と行きました)はとても失礼。でも、まあ…気持ち的には……(^^;
でも、一旦は下まで降りておきながら、エスカレーターのところから見上げたら逸平の隣に年寄りっぽい頭が見えたので…もしかしたらと一応戻りました。
ですが結果は…茂君…後姿が爺ちゃんと似てるよ。
ごめん、間違えちゃった。(^^;;;


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