『スウィート・バイエル』
モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
| 2006年04月19日(水) |
鞭 -11- お仕置きの理由 |
泣きじゃくるといっても、それはずっとずっと出来るものではなく。 放置状態の私、次第に落ち着いてきていました。 自分の中に静寂を取り戻すと、あとはもう考えるだけ。 手足を拘束されているから動けないし、 目隠しをされているから視界は遮られているから、 つらつらと考えるしか、することは無いわけです。 それに先ほど、「お仕置きの理由」という課題も出されていますし。 たぶん、お仕置きの理由は、エイプリルフールのメールでしょう。 いつも、お仕置きの理由は単純で簡単です。回りくどい内容ではありません。 第一、そう言うときは「お仕置き」ではなく、話し合いになります。 そう分かっているのだけれど。 なぜか今日は、考えが止まらない。 お仕置きの理由…… お仕置きの理由…… 私が本当にご主人様にお仕置きされなきゃいけない理由…… あれしかない。 そう思ってしまったら、もうその考えから逃れられなくなっていました。 いつもご主人様に 「他の男とでもいいのか?」や 「本当に外でヤッたら、後ろに人が並ぶかもな」と からかわれて、イヤイヤって首を振っている私が、 実際は他の男と寝たということ。 大切にして下さっているご主人様に対しての、裏切りになることでしょう。 それに私は、ヘタレでおてんばとはいえ、一応は奴隷なのだから。 そんなことをつらつらと考えているうちに、先ほど泣いた疲れからか、 少しうとうととしてしまいました。 が、ふと気配を感じ、すぐ覚醒。 ビシッと、再び鞭が飛んできました。 「麻瑚。どのぐらい放置されていたと思う?」 「……10分?」 「意外と冷静だな」 ご主人様は呆れたようにそう言うと、また鞭。 「お仕置きの理由は分かったか?」 私は無言。そして鞭。 何度も繰り返される「理由はわかったのか?」という言葉。 無言のままの私に苛立つように、ご主人様の鞭が振り下ろされる。 私はといえば、どんどんと考えが深みにはまっていき、ついに抜け出せなくなりました。 「ごめんなさい」 やっと答えた言葉は、それだけ。 「何がごめんなさいなんだ?」 また無言で居ると、どんどん鞭が振り下ろされます。
「ごめんなさい」 「何が、ごめんなさいなんだ?」 「……許して下さい」 「何が許してなんだ?」 「ごめんなさい」 このやりとりの繰り返し。 でも、言葉をひとつ発するごとに涙がどんどん溢れ、 嗚咽さえするようになってしまっていた私。 「だから、何が許してなんだ!!」 「……理由を言うの……許して下さい」 「言え!!」 「……ごめんなさい」 ご主人様の苛立ちが分かる。 分かるけど、言えない。 このやりとりを数回繰り返したところで、 私が叫ぶように「お願い、もう許して下さい!」言い放ちました。 以後、泣きじゃくって会話不可、お仕置き続行不可能となりました。
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