『スウィート・バイエル』 モクジ | 今ヨリ、カコへ | 今ヨリ、ミライヘ
休憩時間に行った、ぷちお誕生会やそれにまつわることは コラムに書くので、今は省略。 私の誕生日が近い。 といっても、特にご主人様からのプレゼントはない。 ないというか……欲しいモノが売ってなかったということである。 ご主人様の欲しいモノはわかってる。でも私は、いらない。 そのことで、行きの車中から楽しい口論。 「買ってきたかったけど、こっちでは 『アナルビーズ(中)』 売って なかった。後日な」 「あのね……いりません、それ、私」 「えええ! だってメールで、麻瑚も盛んにアピールしてたじゃないか」 「散々『いらない』って言ってたんでしょ! この場合の『いらない』はフリじゃなくて、本気の、いらない!」 「だってもう今のアナルビーズ(小)じゃ、入ってるかどうか わからないだろ? いつも、入ってるビーズの個数間違えるし(笑)」 「あれは……ご主人様の入れ方が絶対おかしいんだもん! 分からないようにしてるんだもん! そんなことないもん! 私のかわいいあにゃるちゃんには、あれで十分!」 「それから、『ボールギャグ』……」 「……あの……それはね、本当にいらないですから。あれだけはイヤ」 「絶対させたいんだよな〜(笑) 見つけたことはみつけたんだけど、 普通はボールに小さな穴が無数にあいてるだろ?」 「ああ、そうですね〜(←興味ナシ回答)」 「あそこから、涎がダラーッと垂れるのがいいんだよな。 なのに私が見つけたのは穴のあいてないボールとか、口枷的なモノしかなかった」 「……だから、いりませんってば!」 「涎がダラーっと」 「だからイヤなの! イヤだから、メールに書かれてても、ノーリアクションで通してたのに(涙) ボールギャグは、アナルビーズ(大)以上にいや! 本気でいや。涎だら〜ってなるの、絶対イヤぁぁぁ〜!(泣)」 ここで私は、ご主人様に乗せられて大失敗しちゃったのである。 「S(サド)」ってどういう人かわからない、という人が多々いらっしゃるが、 早い話が、S=いじめっこなのである。 嫌がる女の子をスカートめくりして泣かせるみたいなもんなのだ。 つまり、「イヤ」を連発したら、絶対されちゃうのである(涙) 「絶対買ってきてやろ、ボールギャグ。 麻瑚が涎をだらーっと垂らして……ああ、楽しみだ」 ……本気だ。ご主人様は、本気で楽しそうだぁ(涙) 何が悲しくて、自分の誕生日プレゼントに、一番屈辱的なことをさせるための 道具をもらわなきゃ……(涙) 休憩を終えると、緊縛の時間。 セーラー服を着たまま、紫色の綿ロープで縛られる。 数枚写真を撮り終えると、ベッドに座るご主人様の前に跪かされた。 ご主人様はそのまま、微笑みながら私の頬を撫でる。 そうこの雰囲気は、バーで深い話をしたときの、あの頬の撫でかた。 でも……今、どうして? そしてそのまま「舐めな」と命令され、自由がきかぬ体制のままフェラチオをする。 服を脱ぎ、再度緊縛。今回は亀甲ではなく腕と胸を中心としての縛り方。 そのあと私の案で、初の「緊縛・屋外撮影」をする。 ……といってもラブホの部屋にデッキがあっただけなのだが。 部屋に戻ると下半身の縄だけ解き、腕をきつく縛られたままで押し倒され、2回目へ。 その最中。 私を組み伏せながらご主人様が尋ねる。 「麻瑚、気持ちいいか?」 「……はい……」 「気持ちよかったら(喘いでばかりではなく)ちゃんと言葉で言え」 「あ……気持ちいいです……」 そして少し間をおき、再びご主人様が言う。 「麻瑚……『××歳になっても、私を飼って下さい』って言いな」 私はそこで、正気に戻ってしまった。 ご主人様のペニスで軽く責め立てられながら、首を横に振る。 今までも年齢ネタでしょっちゅう虐められてきた。 それは、お遊びの範疇。互いにそれは解っている。 だから私も、わざと激しく落ち込むフリをしたり、 「私は女の子」だの「乙女」だのと ツッこまれるのを期待して言ったりしてきた。 でも今回の言葉は、違う。 それからしばし、 「言いな」「……(首を横に振る)」 「どうして言えない?」「……(首を横に振る)」 を繰り返す。 だが、どうしても私にそれを言わせたい、というご主人様の執拗さに負ける。 「言わなきゃ(ペニスを)抜くぞ」「……いや」 「じゃあ言え」「……(首を横に振る)」 「いいよ、じゃあ本気で抜くからな」 そういってご主人様が身体を離しかけた。まずい、本気で身体を離すおつもりだ。 私は仕方なく……目線をそらしたまま、小声で言った。 「……××歳になっても……麻瑚を……飼って下さい」 屈した私の発言にご主人様は満足そうに笑うと、優しい声で私の言葉に返した。 「ああ、ちゃんと飼ってやるよ」 ご主人様はこの一言を私に伝えたいがため、どうしても先に私に言わせたかったのだ。 それは伝わってきた。でも、解ってはいたが、その言葉にまた首を振る私。 「どうして?」 「だって……」 「ん?」 「……もうおばちゃんって感じが……」 「今までとたいして変わらないだろ?(笑)」 「ううん……」 「変わらないよ……××歳になっても、麻瑚を飼い続けてやるぞ」 私を見下ろしながら、ご主人様がさもあたりまえのことのように、そう言う。 その表情は、微笑んでいる。 心配するな、どこへも行くな、と言っているかのようだった。 見透かされてるんだなぁ……と、嬉しいような困るような怖いような 不思議な気持ちになったが あっという間にそれは打ち消され、嬉しさだけが残る。 ……私はもう何も言えず、ただ涙が溢れてきた。 泣いている私に気付くと、ご主人様が「ん?」と尋ねてきた。 尋ねられても、もう何も応えられない。 ただ静かにすすり上げる私をふっと笑い、ご主人様は目の縁に溜まる涙を、舌で舐め取ってくれた。 「ありがとうございますぅ……」と私が鼻声で言うと、ご主人様は再び笑った。 「ほら、もっと泣きな」 その言葉に甘えるように、涙がどんどん溢れてくる。 しゃくりあげる私を楽しむかのように、ご主人様が挿入を深くした。 そして、泣きながら私が「あ……」と喘ぎ声を上げると、 更に楽しそうに責めを強めていく、意地悪なご主人様だった。 ほどなくして身体を起こされると、強く縛られていた縄が解かれた。 下を向き、自由になった手でやっと涙を拭うと、 その姿を見てご主人様はまた満足そうに笑い、 座位のままぎゅっと私を抱きしめた。 今日、ご主人様から頂いた誕生日プレゼントは、 どんなものにも代えられない、言葉と慈しみだったのだ。 何度も書いているように ご主人様と私の関係に永遠という言葉はなく、本当にいつ終わるかわらない。 その覚悟は、常時、心の片隅にある。 私から身を引かなければと思い、それを何度か暗に伝えたこともある。 そのたびに否定され、今に至っている。 地元に戻り、ご主人様に「戻りましたメール」をする(奴隷の義務)。 「ありがとうございました。 ご主人様に出会えて、私は本当に幸せです。 でももうちょっと遅く生まれたかったな」 と書いて、ドトールから送信した。 私が命を絶ち、自分の時間を止めない限り、二人の差は縮まらない。 でも死んでしまったら、一緒に育む時間は二度と増えない。 老いたくないけど、死にたくはない。 ん〜、この解決しない矛盾……(苦笑) どの男にも、こんなに大切にされたことなかった、私の存在。 今まで発揮されることのなかった、私の書くチカラと、主催者としての何か。 ……ドタバタして辛い日々だけど、収入はいっこうに増えないけど、 もしかしたら今が「私の人生の中で一番幸せな時間なのかも」 ……と思ったりもした一日だった。 さて。お誕生日ぷちイベントは、 これから半月近く、飛び飛びでダラダラ〜っと続くのであった(笑) (といっても、内容は様々だし、そんなにナイんだけど〜) --***--
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