++ワタシノココロ++
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「○○(私の旧姓)きき、に戻ったみたいだ」 やすくんが突然おもしろいことをいった。
3人での、初めての里帰り。
忙しいお盆のシーズンを終え、思いもかけない長い夏休みのプレゼント。 その3日目の今日、やすくんが唐突に。
「どうして?私は帰ってきても△△(今の姓)きき、だよ」
思わず、ごく当たり前に答えてしまった。
「いや、違うよ。今のききは俺が一番よく知ってる、 結婚する前の活き活きしてるききだ」
うまくいえないけど 心の奥の、人に見せたくない部分を ぐさりと突き刺されたような気がした。
実家に帰ってきて、普段の生活で出来ないこと やりたかったことを次々こなしてる。
友人に会ったり、ケーキを焼いたり ちょっと凝った料理を作ったり、ひかると思いっきり遊んだり。
特別なことをしてるわけではないのだけど、たしかに 無意識ながらいつもより笑ってる気がしてた。
「○○のときより、△△のときのききの方が俺は好きだな。
・・・・ごめん、俺が色々無理させてるんだよな」
自分を殺して、とにかく波風を立たせないことだけを願う日々。 そんなことをしてるうちに、 いつかほんとの自分が消えちゃうのかもしれない、なんて
ちょっと思った。
「○○でも、△△でもいい
本当のききを大切にしなくちゃ。
じゃなきゃ、いつか本当に自分を閉じ込めちゃうぞ」
やすくんはちょっと心配そうに
そして、ちょっと自分を責めるように
そんなことをいった。
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