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2003年05月26日(月) 初めて会った日のこと。 ** オモイデ バナシ


何を今更な感じなんだけど
やすくんとのいろいろな思い出を
時がたって私の記憶が薄れてしまう前に
ここに残しておこうと思った。


初めてあった日のこと。


私のお泊まり出張の日だった。
ずいぶん前から決まっていた出張。
たまたまやすくんもその日から長期休暇が始まって。
おまけに、出張先のそばにちょうど用事ができたらしく
「会わない?」って言われた。


正直迷った。


当時はやすくんとも呼べなかった電話の声の主が
悪い人じゃないだろう、っていうことは分かってた。
でも、「会わない?」っていう言葉に
一瞬、嫌悪感を抱いた。
学生時代、仲のよかったゼミの仲間で、でもほとんど話したことがない人から、
「会わない?」っていわれたことがある。
単純で子どもだった私は、ただ単に「会いに」行ったんだけど、
その時初めて知った、その言葉の別の意味。
特別な思い、あるいは、チラチラ見え隠れする下心。
そんな気が何もなかったから余計に、その気持ちに気づいたときは
ショックだった。
その時に味わった、イヤな気持ちが胸をよぎった。

でも、私はOKした。
自分でも驚くほどあっさりと。

電話の声の主に対する信頼感みたいな物があった。
絶対的な安心感、みたいなの。
私の出張先に彼が足を踏み入れたことがない、っていうのも
安心材料の一つだった。
もし、何かあっても、多少土地勘のある私の方が有利だから。
それに、宿泊先は出張先が用意してくれるホテルだから、っていう安心感もあった。


電話で他愛ない話をしつつ、会う場所とだいたいの時間を打ち合わせた。
声の主は、自分の写真を送るといった。

「酔っぱらってるから、ちょっと顔が変なんだけど」

そういって、送られてきた写真。
・・・初めて見る、やすくんの顔。
「この人とずっと話してたんだ」っていう気持ちと
これまで味わったことのないドキドキ。
・・・正直ちょっと好みだったし(恥)
でも、私は自分の写真を送らなかった。
ちょっとした緊張感が
まだぬぐい去られてなかったから。


出張当日、4時過ぎに仕事が終わった。
携帯を見ると、もう3時過ぎにはこの街に入ったらしい。
ホテルにチェックインして、急いで着替える。

しばらくすると電話がかかってきた。

電話の相手だ。

ここで初めて、ちょっと不安になった。
会っても大丈夫だろうか?って。

でも、なぜだか私は
土地勘のない彼にも分かるように道を教えて
待ち合わせ場所に指定して、そこに向かった。

ホテルのそばの大きな招き猫の前(苦笑)。

私の方が先についた。
ドキドキしながら、彼が乗っているというパジェロを待つ。
別の車種の車が何台か私の前に止まっては用事を済ませると出ていった。
よく似た車が前の通りを走ってこっちに向かってくるけど、
減速することなくそのまま通り過ぎてホッとする。





・・・・電話が鳴った。

仕事の相手から。
一気に仕事モードになって、近くにあったベンチに座り、
道路に背を向けたまま電話を取った。
5分くらい話しただろうか?
ようやく話がまとまり、電話を切る。

いつから停まっていたのだろう。
後ろに車の気配があった。







・・・パジェロだ。





思わず座席をのぞき込むと、運転手が驚いた様子でこっちを見た。
目があった瞬間、車のナンバープレートを見た。
声の主が言ってたナンバー。

気づいたら、手を振ってた。



その後、車に乗り込み、
グルグルと街の中を走りながら、
その声の主がどうやってここまでたどり着いたかとか
電話で話している人には気づいたけど、それが私だとは思ってなかったとか、
せっかくだから、一度言ってみたかった場所に行こうとか
とにかく、息つく間もないほど話した。
電話の声の主は、写真とほとんど変わらない顔で
いつも聞き慣れていた声で話をしていたけど、
なかなか私と目を合わそうとせず
自分の車の中だというのに、居場所がないような感じで
そわそわしていた。

初めて出会ったその人が、私の方を見ながら話し始めたのは
遅い夕食になった、焼肉屋で向かい合って座ってから。

あのときの、やすくんの照れたような笑顔は
今でもずっと目に焼き付いている。

お肉を食べて、またグルグル街の中を回って
ファミレスで珈琲を飲んだ頃には、もう時計は午前1時を回っていた。


・・・これからどうするんだろう?


そう思ったときに、彼は、

「帰らなきゃ。送っていくよ」

と言った。

その場所から、彼の住んでいる伊豆までは高速で飛ばしても
4時間はかかる。


ビックリした。


その時に、ちょっと反省した。
ほんの少しの緊張感と、不安と
警戒心を持った自分に。

午前2時、初めてあった彼は私をホテルに送り、
そのまま帰っていった。



初めてあった一日は、
長くて短くて、
でも、絶対に忘れられない時間になった。






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