++ワタシノココロ++
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久しぶりに開けた段ボールの中から
懐かしいモノが出てきた。
飛行機のチケットの半券と電車の切符。
やすくんがまだ伊豆にいた頃、よく新幹線に乗った。
こだまの11両目。たまに12両目。
2人で合わせると月に2度3度乗ってて
おまけに「今日は○番目のA席だったよ」なんて報告しあってたから
乗るたびにその席を捜して
「この前、やすくんはあそこに座っていたんだな」と
座席に座って缶コーヒーを飲む姿を想像したりしてた。
熱海の駅が近くなって、最後のトンネルに入る頃から
心臓が毎回ドキドキして落ち着かなかった。
駅で待つやすくんの姿を見つけても
すぐには駆け寄らなくて、わざと知らんぷりしたり。
やすくんに見つけてもらうために、わざと。
本当はすぐに手をつないでやすくんの手の温もりを感じたいのに
わざとよそよそしくしてしまうのも、毎回。
やすくんの目を見ると、手を握ると
会えない間我慢していた自分の気持ちが
一気に飛び出してきそうな気がしたから。
やすくんの車に乗って、アパートに向かう間も
変にテンション高くて、「全然寂しくなかったよ」なんて素振りを必死に見せてた。
そんな私に、変わらず優しい笑顔を見せてくれてたやすくんは
きっと
全部お見通しだったんだろうと思う。
やすくんが転勤になって
新幹線も東京駅で乗り継がなきゃならなくなってから
飛行機を利用することが多くなった。
仕事を早めに切り上げて、急いで空港へ向かって
ギリギリで乗った羽田行きの飛行機の中から見える
夕焼けと雲の間に浮かぶ富士山の美しさは忘れることが出来ない。
段ボールの中に入っていた思い出の切れ端。
今は飛行機や新幹線に乗る機会はめっきり減ってしまったけれど
あの時のドキドキは今も消えることがない。
数時間前に別れたばかりのやすくんが
家に帰ってきたとき、
未だによみがえるあのドキドキ感。
何時までも続くといいなあ
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