++ワタシノココロ++
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母がいよいよ帰る。
初めての私の街。そして、やすくんの生まれた街。
それを見てみたい、っていうのも目的のひとつ。
時間ができたら、どこかに観光でも・・・なんて思っていたんだけど
片づけより先に収納グッズが何もないこの部屋のために
クローゼットを仕切る棚とか、目隠しになるモノとか
そう言うモノを整えるために走り回った3日間になってしまった。
ゆるせ、母。
やすくんの両親が夕食に誘ってくれたので
3人で私の車に乗って居酒屋へ。
お店の駐車場に入る直前
駐車場でフラフラしてる男の人が目に入った。
私たちより先に駐車場に入った車に向かって何か叫んでる。
その時は、単なる酔っぱらいが誰かにからんでるって思った。
前を行く車はその男の人を無視して進んでいった。
次は、私の番。
居酒屋は盛況なようで駐車場にはかなりの車があり
止められる所がすぐには見つけられなかった。
だから、普段以上に徐行していたわけで。
「てめーっ!何様のつもりじゃっ!」
いきなりの怒号。誰に向かって言ってるのかわからない。
その後も更に聞くに耐えないほどの罵声を、
なぜか私たちに浴びせかける。
ん?おかしいな?
運転した私は、なにか普通とは違う雰囲気を何となく感じた。
ドアロックをしようとした瞬間
ガチャ
その男は
やすくんがのっていた助手席側のドアを勝手に開けて
いきなりやすくんの胸ぐらをつかんで車から引きずりおろした。
何がおきたのか、とっさには分からなかった。
後部座席に乗ってた母に後で聞くと
「サイドブレーキかけてハザードランプまでつけてたよ」
私は全然覚えていないけど
とにかく止めなきゃ
その思いだけで車を飛び出して男の人に向かっていったのを
何となく覚えている。
胸ぐらを捕まれたままで体を揺さぶられてるやすくん。
「何言ってるんですか?俺何もしてないじゃないですか?」
いつもと同じ調子で話しかけてるけど、全然聞いてもらえない。
私は私で、恐怖で足がすくんだ・・・なんていうコトはなく(苦笑)
やすくんの調子に合わせて、その男の神経を逆上させないように
できるだけいつも通りの調子で話しかけながら、
何かあったら、ただじゃおかないって、神経を張り巡らせてた。
多少、腕に覚えがある私だし(謎)
先に来ていたやすくんのお父さんが
お店の外で起きてることに出来事に気づいて
「何してるんだっ!」
って、その男に向かっていこうとしたとき
「いいからっ!」
って、急に怖い顔になった。
今まで見たことのない、厳しい迫力のある顔。
されるがままになってたんじゃなかった。
その人を逆上させないように余計な抵抗をしてなかっただけ。
自分も危ない目に遭わないように倒されないようにしていた。
どのくらい時間がたっただろうか。
30分だったのかも知れないし、2時間だったかも知れない。
とにかく長い間。
つらかった。
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