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2002年03月13日(水) 声を上げて泣いた夜。

大阪の時に一方的に電話を切ったのが気まずくて、

何となく会話もぎくしゃくしたモノになる。

おまけに残りわずかな職場でも

またもやいつものおばさま先輩から

不思議な理由で仕事を押しつけられて、

何とも言えなく気持ちが重くなってた。



私の雰囲気を察してか

やすくんの言葉数も少なくて

気持ちはどんどん深い方へ深い方へ沈んでいく。








「…ごめんね。もう大丈夫」

        大阪で変な言いがかりつけてごめん。

        一方的にイライラしててごめん。

        なかなか元気になれなくてごめん。

        私の気持ちばかりぶつけてごめん。

         

いろんな意味を込めて、やっと一言声に出す。































長い沈黙の後で。









「あのさ、きき。

 なんで、そうやって無理すんの?

 なんで、そうやっていつも自分を責めるの?」



意外なやすくんの言葉。


「…ごめん。

 私勝手に浮かんだり沈んだりしてやすくんに迷惑かけた」




「ったくさー!!!!!

 あのさ、ききが思ってるほど俺イヤなんて思ってないよ。

 ききが思ってるほど、迷惑なんて全然かけてないよ」



語気を強めて、やすくんが発したその言葉が

何だか、自分の気持ちの奥の奥に突き刺さった気がした。


「だけど、私がいつも迷惑かけてるじゃん。

 やすくんにイヤな思いさせてるもん。ごめん」


「だーかーらー!!!全然迷惑かけてないって!
 
 なんでそうやって自分ばっかにもってくんだよ」




私が大阪に行く前後から抱えてたいろいろな思いを、

それは当然Mとの会話の中で生まれたモノも含まれるけど

ほんの些細なことまで、やすくんは気づいてた。


「大丈夫」「ぜんぜん平気」「気にしないで」


自分でも気づかないうちに使っていた

こんな言葉達。

やすくんに心配や迷惑をかけたくないと思って使ってたこの言葉が、

実はやすくんを一番苦しめていたことを

この時初めて知った。







きづいたら。







涙があふれ出てた。

嗚咽が止まらなくなってた。



携帯電話を耳に押し宛てながら

やすくんの気配を感じながら

一人で泣いてた。



「無理すんなって。そのくらい、俺だって分かるよ。

 無理して元気な方が、ずっと心配なんだから。
 
 それとも、俺が無理矢理元気にさせてた?」



「…そんなこと…なかった…

 …私が勝手に元気になろうとしてただけだよ…ごめん」


「ほらっ!また、そうやってあやまる。

 いいの。俺は。全然いいの」


結局、ほとんど会話が成立しないで

私の涙が止まるまでずっと、

やすくんは「大丈夫」って言ってくれてた。




やすくんの気持ちの


ほんの一部しか気づいてなかった自分。


想像以上の大きな心に包まれてた事に気づいた。








うれしい。







心の底から幸せを感じた夜でした。


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