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2001年09月06日(木) バカな女。 

わたしは バカだ。

「今日は疲れたよ」

さっきの電話で開口一番こういったやすくん。
ご飯も食べずにこれまで仕事してたらしい。

大変だったね。疲れたね。
この前の休みは、やすくんの従兄弟の結婚式で
休みとは言いにくいものだったし、
この前の職場の飲み会だって、結局おつき合い。
勤務日はずっと日付が変わる前後まで働いてる。
昨日は、自分で作る従業員食堂に食べ物がなくて
キムチとご飯だけで済ませてしまったらしい。

近くに住んでたらなあ。
少しはマシなご飯で迎えてあげられるのに。
「おつかれさん」って、顔見ていってあげるのに。
疲れたやすくんが少しでも休めるように、
やすくんの部屋を居心地いい場所にすることもできるのに。
こんな時、いつも以上に「距離」を感じてしまう。

今の私にしてあげられることは何だろう。
眠そうなやすくんと会話にならない話を続けながら、
そんなことを考えてた。
それで。

「10日さあ、別に来なくてもいいよ。
 部屋で昼頃までゆっくり眠ってたら?」

心とは裏腹なことを言ってる私。
電話は表情が見えないからこそ言える強がり。
10日・11日はやすくんがこっちに来れる唯一の2連休。

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今朝、なんだか気持ちがずーっと重かった。
仕事のこと。
いつもなら大したことないことの一つ一つが
なんだか全部胸に突き刺さってて、
一晩寝てもとれなかったみたいな感じだった。
思いっきり愚痴を言えばすっきりするんだろうけど、
仕事上あまりオープンにできないこともあったりして
やすくんに仕事の話はあまりしていない。
朝から、そんな話をしてやすくんまでブルーにすることないし。
ま、結局、私の強がり。

「…ごめん。今日の私、ちょっとヤな感じだね」
「大丈夫だよ。…あのさ…」
「ん?」
「俺はききちゃん(とは呼ばないけど、一応ね)の味方だからさ。
 きっとやれるさ。考え込まないでやってみな。
 どんなときでも、おれはききちゃんが大好きだよ」

そんな言葉で私を包んでくれてるやすくんの心が嬉しい。
だけど、強がりな私は、言葉を返すのと一緒に
自分の心の中に押さえ込んでる
「弱さ」があふれ出すような気がして
素直に、嬉しい気持ちが伝えられない。

「…やすくんもがんばってね。」
なんて、話をそらす。
そしたら。

「俺さ、やっぱり10日にそっちに行く。
 なんか、ききちゃんが心配になってきた」

その一言が押さえ込んだ弱さに直撃して、
朝の車の中で涙が一粒こぼれた。

「うん。早く会いたいよ」

私からやっと出てきた一言。

+++++++++++++++++++++++++++++++++++++++++

なのに。
自分の気持ちに素直になれなくて、
強がりをまた言ってしまった。

「私は今会えなくても大丈夫。
 それより、やすくんの体が心配だから」

なんて、言ってる。
バカだ。

心の中じゃ、もう一人で立ってる力もないくらい
弱り切ってるのに。
やすくんが、笑顔で「大丈夫」って言う瞬間を
待ち続けてるというのに。



だけど、今の私にできることはこんなことだけ。
休日はきちんと休日らしく過ごさせてあげること。

遠距離は、辛い。


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