++ワタシノココロ++
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わたしは バカだ。
「今日は疲れたよ」
さっきの電話で開口一番こういったやすくん。 ご飯も食べずにこれまで仕事してたらしい。
大変だったね。疲れたね。 この前の休みは、やすくんの従兄弟の結婚式で 休みとは言いにくいものだったし、 この前の職場の飲み会だって、結局おつき合い。 勤務日はずっと日付が変わる前後まで働いてる。 昨日は、自分で作る従業員食堂に食べ物がなくて キムチとご飯だけで済ませてしまったらしい。
近くに住んでたらなあ。 少しはマシなご飯で迎えてあげられるのに。 「おつかれさん」って、顔見ていってあげるのに。 疲れたやすくんが少しでも休めるように、 やすくんの部屋を居心地いい場所にすることもできるのに。 こんな時、いつも以上に「距離」を感じてしまう。
今の私にしてあげられることは何だろう。 眠そうなやすくんと会話にならない話を続けながら、 そんなことを考えてた。 それで。
「10日さあ、別に来なくてもいいよ。 部屋で昼頃までゆっくり眠ってたら?」
心とは裏腹なことを言ってる私。 電話は表情が見えないからこそ言える強がり。 10日・11日はやすくんがこっちに来れる唯一の2連休。
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今朝、なんだか気持ちがずーっと重かった。 仕事のこと。 いつもなら大したことないことの一つ一つが なんだか全部胸に突き刺さってて、 一晩寝てもとれなかったみたいな感じだった。 思いっきり愚痴を言えばすっきりするんだろうけど、 仕事上あまりオープンにできないこともあったりして やすくんに仕事の話はあまりしていない。 朝から、そんな話をしてやすくんまでブルーにすることないし。 ま、結局、私の強がり。
「…ごめん。今日の私、ちょっとヤな感じだね」 「大丈夫だよ。…あのさ…」 「ん?」 「俺はききちゃん(とは呼ばないけど、一応ね)の味方だからさ。 きっとやれるさ。考え込まないでやってみな。 どんなときでも、おれはききちゃんが大好きだよ」
そんな言葉で私を包んでくれてるやすくんの心が嬉しい。 だけど、強がりな私は、言葉を返すのと一緒に 自分の心の中に押さえ込んでる 「弱さ」があふれ出すような気がして 素直に、嬉しい気持ちが伝えられない。
「…やすくんもがんばってね。」 なんて、話をそらす。 そしたら。
「俺さ、やっぱり10日にそっちに行く。 なんか、ききちゃんが心配になってきた」
その一言が押さえ込んだ弱さに直撃して、 朝の車の中で涙が一粒こぼれた。
「うん。早く会いたいよ」
私からやっと出てきた一言。
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なのに。 自分の気持ちに素直になれなくて、 強がりをまた言ってしまった。
「私は今会えなくても大丈夫。 それより、やすくんの体が心配だから」
なんて、言ってる。 バカだ。
心の中じゃ、もう一人で立ってる力もないくらい 弱り切ってるのに。 やすくんが、笑顔で「大丈夫」って言う瞬間を 待ち続けてるというのに。
だけど、今の私にできることはこんなことだけ。 休日はきちんと休日らしく過ごさせてあげること。
遠距離は、辛い。
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