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2001年08月27日(月) ハジメノ一歩

(昨日の続きから・・・)

部屋に戻ってきたとき、
私は、やすくんに近づくことができなかった。
自分なりに出した結論。
悲しいけど、仕方がない。
狭い部屋の端と端で、
しばらくの沈黙が続く。

泣き疲れて、考え疲れて、
私の頭の中は真っ白だった。



「あのさ…」

先に、沈黙を破ったのはやすくん。

「そっちに行ってもいい?」

私が返事をする前に、やすくんが私の隣に座る。

「…おちついた?」 「 … 」
「俺、話していい?」  「…うん」

「… あのさ、 大丈夫だよ。
 俺、何とも思ってない。白紙に戻す必要もないよ。」

「今、すごく落ち込んでるだろうけど、
 今日の話で、かなり前へ進んだんだぞ。」

「とりあえず、こっちに来ることは許してもらえたじゃん。
 具体的な話も、少しずつ出てきたし。」

「俺、嫌だったらこんな風に話さないよ。」

小さな子どもをなだめるように、
頑なになってる私の心を少しずつ溶かすように、
ぽつりぽつりと話をする。

やすくんの言葉を聞いて、また涙が潤んできた私の側で
ずっと

「大丈夫だから」

って、言い続けてくれてた。

ありがとね。
ごめんね。

言いたいことは山ほどあったけど、
そのどれも私の口から出ていかないで、
私は相変わらず涙を流し続けてた。
そんな私の側にずっといてくれたやすくん。



昨日のことがあって、今朝。
まだ私の心は不安定で、グラグラしてた。
でも。

ひとつわかったことがある。

私はやすくんに支えてもらってる。
いや、包んでもらってるってこと。


眠ってるやすくんをおいて、仕事に出た。
午前中で上がりだったから、急いで部屋に帰る。
何もなかったように、にこやかに迎えてくれた時も、
私が作ったパスタをおいしい、って言ったときも、
ドライブに出かけたときも、たまたま立ち寄った観光地でも

いつも、やすくんは私を包んでくれてる。





短い1日が終わり、眠りにつく頃。
やすくんが一言言ってた。



「昨日はいろいろあったけど、今日が初めの一歩だよな。
 これからも一緒にいような」


 


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