++ワタシノココロ++
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不安。
今度の日曜日、やすくんが久しぶりにやってくる。 私の両親に、正式な挨拶をするために。
怖い。
嬉しいことのはずなのに、どうしてこんなに気が重いんだろう。
両親のこと。
先日、東京であった叔母に、こんなことを言われた。 「あなたのお母さん、彼のことかなり誤解してるみたいなの。 いつもだったら、たいして気にする人じゃないんだけど、 あまりに突然だったこともあってさ。」
以前やすくんがうちの両親にあったことは、いつかの日記に書いた。 その時のことを、そしてその前のことを、 両親は勝手に想像して、誤解して、 本当の姿とは全く違うやすくんの人物像を描いてる。
「初めて会う時、かなり遠くまで迎えにいったんでしょ。 なんで車であなたが迎えにいかなきゃならないのって。 最寄りの駅まで自分で来たらいいのに、って言ってた。」 「自分勝手で、あなたのこといいように使ってるとも言ってた。」 「それにさ、彼、初めて挨拶するのに、名字しか言わなかったんだって? 今でも名前を知らないって、言ってたよ。」 「礼儀知らずな奴だって」
ちがうよ。
あの時、やすくんは自分で私の街まで来るって言ってたんだよ。 だけど、少しでも長く一緒にいたかったから、 だから私が、やすくんにいいって言ったんだよ。 やすくんが名字しか言わなかったからって、 礼儀知らずなの? うちの両親だって、話の合間に書類を作ったり、テレビ見てたよ。 そっちの方が礼儀知らずじゃないの?
「だからさ、私はあなたから直接彼の人となりを聞いてるから それは誤解だってわかるんだけど、 あなたの両親にとっては、突然現れた訳の分からない男だからさ、 ついついマイナス査定になるんじゃないかな」
叔母は、私の様子を見てあわててフォローしてくれたが 私の頭の中は、その時からその部分がぐちゃぐちゃになってる。 その叔母は、私たちのことを心から応援してくれて 義妹の立場から、それとなく母の気持ちを聞き出し、 私の気持ちを伝えてくれてる。
「今回、もうビシッと言っちゃえばいいのよ。 あなたの親も、もう反対できない、っておもってると思うの。 ただね、自分の気持ちが整理できてないだけ。」
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やすくんが来ることは、すでに話してあるから うちの両親もある程度覚悟はできてるだろう。 2度目の対面。でもものすごく大きな誤解をして見る目に やすくんの顔は、態度は、気持ちは どう映るのだろうか。
朝っぱらからやすくんにこんな話をして、 早速自己嫌悪。 そして。
「やすくん、もしうちの親が変なことを言ったら、 もういいから。」 「もうこれ以上、やすくんに嫌な思いさせられないよ」
もういい。私が我慢したら、やすくんもうちの両親も楽になる。 嫌な思いをしないで済む。
「それどういうこと?俺にあきらめろっていうこと? もう、そっちに行くなって言うこと?」
珍しく語気の強いやすくんの言葉に、 ハッと我に返る。 自分の気持ちと正反対の言葉が、口をついて出てきたことに気づく。 ちがうよ。
やすくんのことを誤解して欲しくないだけ。 うちの両親のことも誤解して欲しくないだけ。
私の大切な人たちが、私がしっかりしないせいで 嫌な気持ちになって欲しくないだけ。
「なあ… 大丈夫だよ。」
やすくんが、何度も何度もこう言ってくれる。 ごめんね。 ありがとね。
だけど、まだ怖いよ。 不安だよ。
どす黒い雲が私の心の中で グルグル渦を巻いてる。 早く太陽の光を浴びたいのに、 厚く空を覆って、暗い。 でも、 きっとその雲を作ったのは私。 渦を作ったのも私。
怖いよ。
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とりあえず、先週1週間の 更新できなかった分を アップしました。
読んでくれる人がいたら、嬉しいです。
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